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米軍 イラクからの撤退を完了 IS掃討の12年に幕 2003年侵攻から23年
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October 1, 2026
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軽油価格が過去最高 トランプ大統領が輸出禁止を示唆 経済界は反発
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米、「強制労働」対策不備の60カ国・地域に追加関税 最大12.5%
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移民当局への医療データ提供問題 パランティア社への共有も発覚
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米国、留学生ビザの滞在を最長4年に制限 9月15日発効
トランプ氏が陰の主役、返り咲きに備え動き加速 ウクライナ支援、NATOに否定的、米国は内向きに
August 10, 2024
2024年7月10日 7月9日に開幕した北大西洋条約機構 (NATO) 首脳会議は、盟主・バイデン米大統領の高齢に懸念が強まり、返り咲きを狙うトランプ前大統領が陰の主役になった。 ウクライナへの軍事支援やNATOに否定的なトランプ氏が勝利する事態に備えた動きを、加盟国は加速させている。 ▽先手 「民主主義の仲間が安全でなかったら、我々も安全ではいられない」。 1949年4月に12か国が北大西洋条約に調印したワシントンの講堂。 民主党のバイデン氏だが、野党共和党のレーガン元大統領の言葉も引きつつ、超党派の支持があるNATOの維持は米国にとって「神聖な義務」だと訴えた。 首脳会議のホスト役として14分間壇上に立ったバイデン氏は大きな身振り手振りを交え、終始力強い口調だった。 イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長も壇上に招き、功績を称える勲章を授与するなど、快活さのアピールに余念がなかった。 背景には11月の大統領選がある。 世論調査で優位に立つトランプ氏は在任中と同様、米国が過度な負担を強いられているとNATOを問題視。 多額のウクライナ支援もやり玉に挙げる。 欧州には不安が漂う。 トランプ氏が当選した場合、米外交政策が内向きに転換するとの見方は根強い。 米議会ではトランプ氏の影響下にある共和党の反対でウクライナ支援の緊急予算成立が大幅に遅れ、武器供与が4か月停滞。 ロシアのウクライナ東部などでの進撃を許した。 バイデン政権は先手を打ち、6月にウクライナとの10年間の安全保障協力協定に署名。 武器供与など短期的支援と並行し、共同訓練や相互運用性の向上などに重心を移した。 「ウクライナ支援の制度化を進める」。 米当局者は言葉を慎重に選びながら、選挙結果に左右されにくい仕組みづくりが課題だと明かした。 ▽不信感 欧州側ではトランプ氏が2月、防衛費を十分に負担していない加盟国を守らない考えを示唆したことで危機感が一気に高まった。 32加盟国のうち23か国が国防費を国内総生産 (GDP) 比2%とする目標を今年達成する見込みとなった。 首脳会議では、トランプ氏が復権してもウクライナ支援を続けられるよう、主導権を米国からNATOに移すことも検討される。 武器供与や軍事訓練の調整役を担うNATO司令部の設置や、400億ユーロ (約7兆円) 規模の軍事支援を続けることで合意する見通しだ。 トランプ氏は在任期間中、北朝鮮との交渉に積極的で金正恩 (キム・ジョンウン) 朝鮮労働党総書記と会談する一方、NATOへの冷淡な発言が目立った。 欧州外交筋は「我々の首脳より、北朝鮮の指導者に対する発言が友好的だった」と不信感を露...
トランプ氏演説中に銃撃で負傷、容疑者と参加者死亡 米大統領たびたび標的に、現職4人暗殺、未遂事件も
August 10, 2024
2024年7月14日 大統領選で共和党の指名候補に確定しているトランプ前大統領が7月13日に銃撃され、負傷した。 許されない事件だが、銃所持の長い歴史がある米国において、選挙に臨む公人が必然的に負うリスクに違いない。 しかも、共和党は一貫して銃所持の権利を擁護してきた。 トランプ氏はこの事件で政治テロに屈しないとの姿勢を示し、英雄視されることになるだろう。 少しでもずれていたら暗殺だった。 ペンシルベニア州の支持者集会。 乾いた発砲音が聞こえたと思えた直後に、トランプ氏は右耳を押さえながら演台の裏側に沈み込んだ。 自分のソーシャルメディアで「大量に出血し、何が起きたか理解した」と振り返った。 驚いたはずだ。 死亡した容疑者の動機は俄 (にわ) かに分からないが、政敵を相手に言いたい放題を続けてきたトランプ氏がこうした目に遭う恐れは皆無ではなかった。 そのスタイルを維持してきたのは、傍若無人な言動がエリートと対峙 (たいじ) する自分のイメージを形作り、それが求心力になってきたからに他ならない。 日頃トランプ氏を貶 (けな) すバイデン大統領が「(銃撃は) 非難されるべきだ」と寄り添ったように、衝撃を受けた米国はトランプ氏擁護一色となった。 大統領警護隊 (シークレットサービス)...
中国「嫦娥6号」帰還、月誕生の謎解きに期待 深める自信、宇宙開発で主導権狙う、米は警戒
July 21, 2024
2024年6月25日 月の裏側で試料 (サンプル) を初めて採取した中国の無人探査機「嫦娥 (じょうが) 6号」が地球に帰還した。 月の起源や太陽系初期の歴史といった謎解きが進むことに期待が高まる。 宇宙分野の開発に自信を深める中国は、世界各国が狙う水などの月面資源探査でも優位性を確保する構え。 一方、トップランナーを自任する米国は警戒感を募らせており、両国の激しいつばぜり合いが予想される。 ▽月の記憶 「人類の月探査に新たな章を開いた」。 中国外務省の毛寧 (もう・ねい) 副報道局長は6月25日、「嫦娥6号」の任務成功後の記者会見で胸を張った。 「(各国の) 国際パートナーと手を携え、宇宙を探索していく」と強調し、宇宙開発の主導に意欲を見せた。 月は常に地球からは片側だけが見え、地球側は「表」、もう片側が「裏」。 表と裏では地殻の厚さや地形が大きく異なる。 65年前に旧ソ連の月探査機「ルナ3号」が裏側の撮影に成功したものの、地球と月の裏側は直接交信ができず探査は停滞していた。 だが、中国は難易度の高い中継衛星を用いた通信手段を確立し、新たに道を切り開いた。 試料を採取した南極域にあるクレーター「エイトケン盆地」は40億年以上前に天体の衝突で誕生。 直径は約2,400キロで深さも6~8キロと、月で「最古、最大、最深」のクレーターに位置づけられる。 エイトケン盆地には隕石 (いんせき)...
アルコール健康被害4億人 WHO、若者飲酒に懸念
July 21, 2024
2024年6月25日 世界保健機関 (WHO) は6月25日、飲酒によるアルコール依存症など健康被害を受けた人々が世界で推計4億人に上ったとする報告書を発表した。 特に、15~19歳で飲酒経験がある人の割合が「受け入れ難いほど高い」と懸念。 飲酒を容認する社会通念により、引き起こされる健康被害が軽視されていると指摘した。 WHOは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今回は2020~22年のデータは不備だったとしている。 報告書によると、2019年の1人当たりの年間アルコール消費量 (純アルコール換算) は5.5リットルで2010年の5.7リットルから微減した。 2020年については、新型コロナの影響を受け、2019年に比べ10.1%減の4.9リットルと推測した。 消費量は旧ソ連諸国や欧州地域、北米・南米地域で多く、米大陸では健康被害に苦しむ人口比が他の地域よりも高い。 最も消費量が多い国はルーマニアで17.0リットル。 米国9.6リットル、日本6.7リットルだった。 15~19歳で飲酒経験がある人の割合は2000年からアフリカ地域で低下したが、日本を含む西太平洋地域や東南アジア地域で上昇した。 アルコール消費が原因の病気やけがによる死者数は、2019年に260万人に上ったと推計。 死亡率は20~30代で最も高く、若い世代が影響を受けやすいと分析した。 高所得国ほどアルコール消費量は多いが、低所得国ほどアルコール消費に関連する死亡率などは高い。 財源や技術、知見の不足から、こうした問題に対処するための政策がない国も多い。 WHOは、有害なアルコールの使用を2030年までに2010年比20%減を目標としており、達成には影響力の大きい政策措置が不可欠だと訴えた。 (2024年7月16日号掲載)
米新車販売、HVが快走 価格や燃費「現実的選択」
July 21, 2024
2024年6月27日 米国の新車販売でハイブリッド車 (HV) が「快走」している。 トヨタ自動車やホンダといった日本勢に加え、米自動車大手でも販売の好調さが目立つ。 消費者の環境意識の高まりが背景とみられるが電気自動車 (EV) は敬遠気味だ。 日系メーカー関係者は「価格や燃費など現実的な選択肢としてHVへの支持が増えている」と分析する。 トヨタの今年5月の米新車販売台数は約21万6,000台で、うちHVやプラグインハイブリッド車 (PHV)、EVを含む電動車は8万5,335台、39.4%を占めた。 単月としては台数、割合ともに過去最高といい、エンジン車を廃止した新型カムリといったHVモデルが牽 (けん) 引した。 ホンダも5月は売れ筋のスポーツタイプ多目的車 (SUV)「CR-V」を購入した顧客のうち、5割超がHVモデルを選んだ。 米国のガソリン価格は新型コロナウイルス禍以前より高い水準が続いており、日本の自動車業界関係者は「HVは燃費面で優位な上、日本メーカーはモデル数も豊富だ。 当分伸びていくだろう」と指摘する。 米メーカーにもHV重視の動きがある。 フォード・モーターの...
オープンAIとタイム提携 非営利報道機関は提訴
July 21, 2024
2024年6月28日 対話型人工知能 (AI) チャットGPTを開発したオープンAI (本社:サンフランシスコ) は6月27日、タイム誌 (Time USA, LLC/本社:ニューヨーク) と記事利用で提携したと発表した。 一方、米非営利報道機関の...
トランプ氏の免責一部容認 連邦最高裁、審理差し戻し
July 21, 2024
2024年7月2日 連邦最高裁は7月1日、2021年の議会襲撃事件で起訴された共和党のトランプ前大統領に対し、在任中の公務は刑事責任の免責特権が適用されると判断した。 「私的行為は免責されない」とし、免責範囲を審理するよう連邦地裁に差し戻した。 初公判は11月の大統領選後にずれ込む見通し。 返り咲きを目指すトランプ氏にとって追い風となった。 トランプ氏は、2020年の前回大統領選の敗北結果を覆そうと支持者らが2021年1月に議会を襲撃した事件を誘発したとして起訴された。 大統領在任中の行動は刑事責任を免れると主張しており、最高裁判断を「憲法と民主主義にとって大きな勝利だ」と歓迎した。 民主主義の根幹を揺るがした事件は、トランプ氏が起訴されている計4つの事件で最も重大だとみられる。 判断は、判事9人のうち保守派6人による多数派意見。 保守派のジョン・ロバーツ長官は大統領の公務に対する広範な免責は「行政府の独立」を守るために必要と指摘した。 リベラル派のソニア・ソトマイヨール判事は「大統領が法の上に立つ王様になってしまった」と反対意見で懸念を示した。 最高裁判断は、機密文書持ち出しなどトランプ氏が起訴されている他の事件の公判にも影響を与える可能性がある。 トランプ氏は大統領に返り咲いた場合、自ら指名する司法長官に起訴を取り下げさせる見方が出ている。 トランプ氏は、免責を認めないとしたワシントンの連邦高裁の今年2月の判断を不服として上訴していた。 初公判は3月4日に予定されていたが、連邦地裁が延期した。 (2024年7月16日号掲載)
初討論会は罵倒応酬、バイデン氏苦戦 4年ぶりの対決、トランプ氏勝利主張
July 21, 2024
2024年6月28日 11月の大統領選に向け、民主党のバイデン大統領 (81) と共和党のトランプ前大統領 (78) による初の討論会が6月27日、ジョージア州アトランタにあるCNN-TVのスタジオを会場として一般観衆なしで開かれた。 * * * * * 大統領選の流れを左右するテレビ討論会でバイデン氏とトランプ氏は冒頭から対抗心を剥 (む) き出しにした。 握手せず、視線も合わせないまま演壇に着くと非難の応酬に。 大統領山荘で約1週間準備を重ねたバイデン氏はダークスーツに紺のネクタイ姿で登場。 トランプ氏が在任中、戦死した米兵を「負け犬」と呼んだとの報道に触れ「負け犬はおまえだ」と言い放った。 お馴染 (なじ) みの赤ネクタイをしたトランプ氏は、雇用創出やインフレ対策をアピールするバイデン氏に対し、経済が上向いている実感がないと指摘して「史上最悪の政権」と反撃。 不倫口止めに絡む事件での有罪評決は「政敵の追い落としを図ったものだ」と非難した。 威勢良く話すトランプ氏に比べて、バイデン氏の声は枯れて小さく張りがなかった。 バイデン氏は言葉に詰まるなど精彩を欠き、苦戦を強いられた。 トランプ陣営は「歴史的勝利」と主張。 両氏の直接対決は2020年の前回大統領選以来約4年ぶりだが、相手の発言を「ウソだ」と否定し、互いを「史上最悪の大統領」と罵倒し合った。 * * * * * 民主、共和両党が大統領候補を正式指名する前に行われる討論会開催は異例。 バイデン氏の高齢不安に拍車がかかり、民主党内から今後の選挙戦を懸念する声が上がり、9月の第2回討論会に向けた挽回が急務となった。 一方のトランプ氏も、大統領経験者として初めて有罪評決を受けたことを口汚く非難して分断を煽...
米市長選に「AI候補」? 州は資格否定、可否判断へ
July 7, 2024
2024年6月17日 ワイオミング州の州都シャイアンの市長選に人工知能 (AI) で生成された自動プログラムが「候補」として届け出された。 「先端技術とデータに基づく意思決定を市政にもたらす」と訴える「AI候補」に対し、同州幹部は「AIに立候補資格はない」と主張するなど、前代未聞の市長候補者をめぐる論争に拍車をかけている。 AIの出馬を認めるかどうか地元当局が判断するという。 地元メディアが報じた。 市民のビクター・ミラーさんが対話型AIのチャットGPTを駆使して創り出し、「仮想統合市民 (Virtual Integrated Citizen)」の頭文字を取って「VIC」の名前で届け出た。 シャイアン市のウェブサイトでは、候補を2人に絞る予備選と11月の本選で構成される市長選に届け出た6人のうちの1人として名を連ねている。 AIであれば、あらゆる情報を織り込んで政策判断できるとミラーさんは主張する。 当選すれば自身がAI候補を操作するが、判断は全て委ねるという。 AI候補も、出馬は人間のリーダーシップと先端技術の融合を政治の世界で実現する道を開き「画期的だ」と自賛する。 一方、ワイオミング州法は登録された有権者のみが立候補できると定めている。 同州の選挙を管轄するチャック・グレイ州務長官は「出馬できるのは有権者だけで、実在する人間である必要がある」と指摘し、AI候補を認めないよう求めた。 「あらゆる選択肢を検討する」と地元当局者。 投票用紙の準備のため、7月上旬までに決定するとしている。 (2024年7月1日号掲載)
ファストフード値下げ 「贅沢品」顧客離れ
July 7, 2024
2024年6月17日 米国でファストフード各社が低価格メニューを相次ぎ投入している。 長引く物価上昇でハンバーガーなどが「贅沢 (ぜいたく) 品」となり、敬遠されつつあるため。 だが、人件費の高騰が続く中、値下げが定着するかどうかは未知数だ。 ウェンディーズは5月、3ドル (約470円) の朝食セットを始めた。 マフィンサンドとフライドポテトで、飲み物は別。 マクドナルドは6月後半から終日メニューとしてハンバーガー、ナゲット、ポテト、ドリンクの 4品セットで5ドル (約790円) の商品を投入すると報じられた。 バーガーキングも同様のメニューを始めた。 通常の価格はこれらのメニューよりも高く、ニューヨークの場合は、どのチェーンでもバーガー、ポテト、ドリンクで最低10ドル程度はする。 思い切った値下げで顧客の目を引く狙いだ。 米労働省によると、ファストフード価格は今年4月時点で前年同月比4.8%上昇し、10年間では50%近く上がったとされる。 いずれも物価全体の上昇率を上回る。 米金融サービス会社レンディングツリー (Lendingtree...
不法移民55万人に救済措置 米国籍の配偶者なら送還猶予
July 7, 2024
2024年6月19日 バイデン大統領は6月18日、米国に10年以上暮らし、米国籍の配偶者がいる不法移民約50万人と、その子供約5万人の強制送還を猶予する新たな救済措置の意義を強調した。 再選を狙う11月の大統領選では不法移民の急増が重要争点。 一方、対決する共和党のトランプ前大統領は不法入国者に「不当な褒美 (ほうび) を与えることになる」と批判を強めている。 ヒスパニック (中南米系) の票を睨 (にら) んだ新たな措置は米国籍の配偶者がいる不法移民に労働許可を与えるほか、永住権獲得に道を開く。 AP通信によると「夏の終わり頃まで」に施行を始め、バイデン政権による「最も広範な移民保護政策の一つ」になるという。 ホワイトハウスで演説したバイデン氏は「家族を離散させてはならない」と呼びかけ、救済は喫緊の課題だと指摘。 「国境を守る責務がある」とも述べ、不法越境者が一定数を超えた場合に事実上の国境封鎖を可能にする大統領令を6月4日に出したことと併せて、バランスの取れた移民政策を進めていると主張。 一方、トランプ氏は厳格な国境管理を訴えている。 ウィスコンシン州での選挙集会では、流入を続ける不法越境者による「侵略を止めなくてはならない」と語った。 大統領に返り咲けば、就任初日に救済措置を撤廃し、大勢の不法移民を強制送還すると宣言した。 バイデン政権下でメキシコとの南部国境から押し寄せる不法移民は過去最多を記録。 保守派は流入阻止を求め、リベラル派は寛容な政策を訴えている。 バイデン氏は幼少時に親に連れられて不法入国した若者の強制送還を猶予するオバマ政権の措置「DACA」導入から12周年の行事で演説した。 (2024年7月1日号掲載)
銃連射装置、禁止は無効 米最高裁、規制団体反発
July 7, 2024
2024年6月15日 米連邦最高裁は6月14日、銃に取り付けて連射可能にする特殊装置「バンプ・ストック (bump stocks)」の使用や所持を禁止したトランプ前政権の措置について、連邦法から逸脱しているとして無効と判断した。 装置の使用が銃暴力の犠牲者増加を招いており、銃規制団体が反発している。 銃規制の是非は11月の大統領選で争点の一つ。 判事9人のうち保守派6人による多数派意見だった。 銃規制を推進する民主党のバイデン大統領陣営は、共和党のトランプ前政権下で保守化した最高裁が「子供の安全よりも銃ロビーを重視した」と批判した。 銃規制団体ブレイディ・キャンペーン (Brady Campaign) も「破滅的な判断だ。米社会に戦争のための武器が出回るようなことがあってはならない」と非難した。 バンプ・ストックは半自動式の銃に取り付けて、全自動式の銃と同様の連射を可能にする装置で、銃弾を発射する際の反動を利用する。 テキサス州の銃販売店主が使用禁止の無効を求めて提訴していた。 前政権はバンプ・ストックを「マシンガン」の定義に含めると規定を改め、所有者は破壊するか当局に持ち込まなければならないとした。 保守派のクラレンス・トーマス判事は「バンプ・ストックを装着した半自動小銃はマシンガンではないと結論づけた」とした。 トランプ前大統領は銃所有の権利を擁護しているが、2017年にラスベガスで60人が死亡した米史上最悪の銃乱射事件で容疑者 (死亡) がバンプ・ストックを使用し、規制を求める声が強まったことなどを受け、2019年3月に禁止した。 (2024年7月1日号掲載)
中国「核戦力拡大500発」 保有国、抑止力依存深める 核兵器関連に14兆円超支出、9か国で増加幅拡大
July 7, 2024
2024年6月17日 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所 (SIPRI/本拠地:ソルナ) は6月17日、2024年1月時点で中国が保有する核弾頭数は昨年同月から90発増え、推計500発になったと発表した。 うち24発が実戦配備済みと見込んだ。 「どの国よりも核戦力を速く拡大させている」と指摘。 世界の核弾頭総数 (推計) は12,121発と昨年から微減したが、核兵器開発は進み「各国が核抑止力への依存を深めている」と懸念を示した。 中国について、これまで核弾頭を別に保管していたとみられてきたが、固体燃料型ミサイルをサイロ (地下発射施設) に格納するなどの動きを見せていることから「恐らく少数の核弾頭を配備し始めている」と分析。 将来的には、運搬手段の大陸間弾道ミサイル (ICBM) を核大国の米国やロシアに匹敵するほど多数配備する可能性もあるとした。 実戦配備済みは米国、ロシア、英国、フランスの4か国で、中国が加われば5か国目となる。 「中国の核兵器保有は今後10年増え続ける」と推計した。 北朝鮮は20発増え、推計約50発になった。 核弾頭最大90発分の核分裂性物質を保有しているとみられ、核弾頭数は今後も増加すると予想される。 SIPRは「北朝鮮は他国と同様、戦術核兵器の開発に重点を置きつつある」と分析。 北朝鮮が紛争の初期段階で核を使う危険性もあり得ると警鐘を鳴らした。 ロシアは5,580発、米国は5,044発で、両国で世界の...
揺れるFRB、遠のく目標、金利差縮まらず 利下げ年内1回、9月以降か、根強いインフレ、円安も
July 7, 2024
2024年6月13日 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会 (FRB) が年内の利下げ回数の見通しを3回から1回に引き下げた。 インフレ率が下げ渋り、物価目標の達成が遠のいているためだ。 揺れるFRBは高い政策金利を維持し、円安基調の主因である日米金利差は縮まらない。 日銀が円安是正も狙った政策調整に動くとの観測もあるが、行方は不透明だ。 ▽変化する意見 「(利下げを) あまりに長く待つと経済に悪影響があるし、早すぎるとこれまでの利上げが台無しになる」。 ジェローム・パウエル議長は6月12日の記者会見で、利下げ時期をめぐる判断の難しさを吐露した。 FRBが四半期ごとに公表する経済見通しは今後の政策の指針となり、会合出席者19人の予測の中央値で占う。 昨年12月時点で今年3回の利下げを見込んでいたが、物価上昇率が一時加速したこともあり、利下げに慎重な意見が拡大。 前回3月は9人が3回の利下げを予測したが、今回は3回が消え、利下げなしが2人から4人に増えた。 今後も金利維持と利下げのどちらが増えるかは経済指標次第になる。 ▽割れる見方 利下げについて見方は割れる。 米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所 (本拠地:ワシントンDC) のスタン・ボーガー上席研究員は基本路線は1回との見方を示した。 秋の大統領選に向け、景気の下支えとなる利下げを求める民主党と、利下げを避けたい共和党の意向を踏まえるとも指摘。 「政治的中立を示すために、利下げは選挙後になるだろう」とし、対応が後手に回ることを懸念した。 一方、英シンクタンク、パンテオン・マクロエコノミクス (本拠地:英国ニューカッスルアポンタイン) のチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は、物価上昇率の僅かな上方修正と比べて「利下げ回数を2回減らしたことは強引だ」と批判。 雇用環境は夏に悪化するとし、FRBが見通しより利下げを増やす方向に軌道修正を迫られるだろうと指摘した。 ▽高金利続く 米国の高金利長期化で、日本経済は円安に悩まされている。 円相場は4月に一時1ドル=160円台まで下落。 日本政府、日銀は4月と5月に総額9兆7,885億円と過去最大の為替介入に踏み切った。 5月3日には一時151円台まで円が買われたが、その後は円安基調に戻っている。 高い金利水準が続く米国に対し、日本は3月にマイナス金利を解除したばかり。 市場ではFRBの利下げや日銀の利上げによって差が縮まらない限り、円安は続くとの見方が出ている。 国際通貨基金 (IMF)...
米政権は「ゲシュタポ」 トランプ氏、起訴を批判
May 13, 2024
5/22/2024 2024年大統領選で共和党候補指名が確実なトランプ前大統領は5月初旬、フロリダ州の私邸で開いた会合で、バイデン民主党政権をナチス・ドイツの秘密国家警察に準 (なぞら) えて「ゲシュタポ政権」と発言した。 自身への起訴は政治的な動機によるものだと改めて批判した。 非公開会合の録音をニューヨーク・タイムズ紙が入手して報じた。 ユダヤ系人権団体はゲシュタポと政権の対比を「侮辱的で嘆かわしい」と反発した。 トランプ氏は中南米からの不法移民が米国の「血を汚している」と発言したことがあり、バイデン陣営はユダヤ人を迫害したナチスが使用した言葉を想起させると非難していた。 トランプ氏は会合で、議会襲撃事件の捜査を担当している司法省のジャック・スミス特別検察官の外見を揶揄 (やゆ) し「もてない野郎だ」と罵 (ののし) った。 一方、バイデン政権は反ユダヤ主義への対抗施策を発表。 パレスチナ自治区ガザ情勢をめぐる学生デモで暴力や憎悪の事例があると指摘。 取り組みとして、反ユダヤ主義の証明を示す手引を全米の大学に発出した。 オンラインでの反ユダヤ主義コンテンツに関し、IT企業に情報提供して規制強化に役立てる。 バイデン大統領はワシントンのホロコースト記念博物館 (US Holocaust...
如何に信奉者と向き合うか、蔓延する陰謀論 学生模索、理解への道は「異論排除せず」
May 13, 2024
6/1/2024 「間違いだと気付いたときには手遅れで、軌道修正は困難だと思う」「ソーシャルメディアの登場が影響しているのではないか」。 2月下旬、イリノイ州の名門シカゴ大の教室で16人の学生が激論を交わしていた。 テーマは米社会にはびこる陰謀論だ。 「陰謀論の問題は信奉者が他の人々と理解し合えなくなることだ」。 講義を担当する政治学者ウィンストン・バーグ (32) が語りかける。 陰謀論の危険性を一方的に指摘して排除するのではなく、信じて疑わない人々とどう向き合うか。 2か月余りの講義で学生たちは模索し続けた。 ▽闇の政府 「2021年の米連邦議会襲撃は連邦捜査局 (FBI) が仕組んだ」「人気歌手のテイラー・スウィフトはバイデン民主党政権の手先だ」――。 各世論調査によると、米国ではこうした根拠のない主張を共和党員の約3割が信じている。 根底にあるのは、首都ワシントンに巣くう一部エリート層が「ディープステート (闇の政府/Deep State) 」をつくり、秘密裏に権力を握って米国を操っているとの論理だ。 今年11月の大統領選で共和党候補指名獲得を確定させた前大統領ドナルド・トランプはこれを徹底的に利用、拡散してきた。 既存政治打破を掲げ、自身を批判する民主党を中心とした敵対勢力にディープステートのレッテルを貼って攻撃。 既得権益と戦う姿勢を演出することで求心力を高めた。 2020年大統領選に敗れたトランプが選挙は不正だったと主張すると、陰謀論勢力「Qアノン/QAnon」が共鳴。 選挙結果を覆そうと議会襲撃に加わった者もおり、民主主義の根幹を揺るがす事態となった。 「ディープステートを解体し、政府を取り戻す」 トランプは2022年11月の大統領選再出馬表明でも宣言した。 今回の選挙戦も陰謀論は止みそうにない。 ▽分断 陰謀論自体はこれまでも米社会に存在し、多数の書籍が出版されてきたが、飽くまでも意識流の存在だった。 それがトランプの台頭により「米政治を理解する鍵となった」と、カリフォルニア大デービス校教授キャスリン・オルムステッドは指摘する。 深まる社会の分断の遠因を探ろうと、多くの大学でも講義に取り上げられている。 「バカげていると相手にしていなかったけど、真実と思わせる内容が含まれているかもしれないと思うようになった」。 シカゴ大4年のイザベラ・デバイン (22)...
イランのイスラエル報復攻撃、戦火拡大リスク 米国から自制要請、ネタニヤフ政権対応に苦慮
May 13, 2024
6/1/2024 4月に起きたイランによるイスラエルへの報復攻撃以降、イスラエル政府が対応に苦慮している。 イランから初の直接攻撃を受け、苛烈な反撃を求める声がある一方、後ろ盾のバイデン米政権は自制を要請。 大規模な反撃は再報復と戦火拡大のリスクを孕 (はら) み、慎重な対応に終始すれば「弱腰」との批判は必至だ。 イランにいかに反撃すべきか――。 議論百出の中、ベンヤミン・ネタニヤフ政権はジレンマに直面している。 ▽紛糾 「待つ必要はない。 すぐに反撃すべき」。 イランが無人機やミサイルを発射した直後、イスラエル中部テルアビブの国防省。 戦時内閣閣議でベニー・ガンツ元国防相らが訴えた。 即座に反撃すれば、国際社会から自制要請がある前に完了できるとの考えだった。 ヨアヴ・ガラント国防相らは米国との調整が必要だとして反対。 閣議は紛糾し、結局、その日は結論に至らなかった。 その後も反撃の必要性では一致するが、時期や標的、方法をめぐり意見は割れている。 ▽新局面 両国はこれまで関連船舶への攻撃やイスラエルと親イラン民兵組織の交戦など、直接衝突を避ける形で「闇の戦争」を続けてきた。 だが、在シリア・イラン大使館攻撃への報復とはいえ、今回のイランによる直接攻撃で「ゲームのルールが変わった」 (イスラエル軍元幹部)。 イランは湾岸戦争 (1991年) のイラク以来、イスラエルを攻撃した初めての国家となった。 イスラエル軍元幹部は「イランに代償を払わせなければ、次の攻撃を抑止できない」と強調する。 ただ、パレスチナ自治区ガザではイスラム組織ハマスとの戦闘が継続。 レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとも交戦状態にある中で、イラン本国とも矛 (ほこ) を交えるのは避けたいのがネタニヤフ政権の本音だ。 ▽計算 同じく全面衝突を避けたいイラン。 報復攻撃で「問題は終結したと見なせる」と幕引きを図った上で「反撃があれば報復する」(アミール・アブドラヒアン外相 )...
ロシアのハッカー指導者起訴 連邦大陪審、120か国で被害
May 13, 2024
5/21/2024 ニュージャージー州の連邦大陪審は5月初旬、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア (ransomware)」を使ったサイバー攻撃を繰り返したとして、ロシア拠点のハッカー集団「ロックビット (LockBit)」の指導者ドミトリー・ホロシェフ被告 (31) を起訴した。 米国のほか、日本や中国など120か国近くで被害が確認されたとしている。 被告はロシア国籍で、身柄は拘束されていない。 米政府は英国やオーストラリアと共同で被告を制裁対象に指定した。 財務省によると、ロックビットは2020年1月以降、世界でランサムウエアを使ったサイバー攻撃を2,500以上の企業や個人などを対象に繰り返し、計5億ドル (約770億円) 以上を騙 (だま) し取った。 起訴状によると、被告は2019年9月頃から今年5月頃までロックビットを管理し、ニュージャージー州を含む米国内や国外で企業や自治体、捜査当局などにサイバー攻撃を仕掛けたとされる。 国務省は被告の拘束につながる情報に最大で1,000万ドル...
ヘイリー氏支持票の行方は? 激戦州で共和党の16%獲得
May 13, 2024
6/1/2024 2024年大統領選まで5か月。 共和党候補指名争いから3月6日に撤退したニッキー・ヘイリー元国連大使の支持者の票が、11月の本選でどの候補に流れるのか注目されている。 激戦が見込まれるペンシルベニア州では4月の共和党予備選で、投票総数の16.6%に当たる16万票近くをヘイリー氏が獲得。 トランプ前大統領でまとまり切れない党の現状が浮かんだ。 民主党のバイデン大統領の陣営は党派を超えた支持を呼びかけ、「トランプ氏に夢中になる国民より、国を愛する気持ちでつながる国民の方が多い」と秋波 (しゅうは) を送った。 AP通信によると、ペンシルベニア州の共和党予備選では、党候補指名が確定したトランプ氏が約79万2,000票。 ヘイリー氏は穏健派の割合が比較的高い都市部や郊外で根強い支持を受けて約15万8,000票と、前回の2020年大統領選の際に同州でトランプ氏がバイデン氏に敗れた票差約8万票の2倍近くに上る。 選挙専門家は、今回もトランプ氏とバイデン氏の接戦が予想される中で「無視できる数字ではない」と分析する。 ヘイリー氏は15州の予備選などが集中したスーパーチューズデーの直後に撤退を表明。 トランプ氏への支持を表明せず、X (旧ツイッター) での発信も減っている。 トランプ氏は4月に党候補指名争いから撤退したフロリダ州のロン・デサンティス知事と会談し、協力を確認した。 挙党態勢の構築を図るが、ヘイリー氏の支持者には議会襲撃事件などで起訴されたトランプ氏を嫌う穏健派が多い。 指名争いでトランプ氏がヘイリー氏を罵 (ののし) ってきたことも響いている。 (2024年6月16日号に掲載)
TikTokが米政府提訴 「禁止法」の差し止め求め
May 13, 2024
5/20/2024 バイデン大統領は4月、中国系動画投稿アプリ「TikTok (ティックトック)」の、全米におけるアプリ配信禁止を可能にする法案に署名し、同法が成立した。 ティックトックの運営会社は、大統領の署名を受けて声明を発表し「憲法に反する法律だ。 法廷で闘い、最終的に勝利する」と反発した。 同法は、ティックトック運営会社の親会社、北京字節跳動科技 (バイトダンス) に対して、来年1月を期限に米国事業を非中国企業に売却するよう求め、応じない場合は米国でのアプリ配信を禁じるという内容。 中国政府はティックトックのデータが非中国企業に渡ることを望んでおらず、運営側は全面的に争う構えだ。 運営会社は声明で、米国のデータを安全に保ち、外部の影響から守るため巨額の投資を続けてきたとし、同法が多数の米国人を「沈黙させる」と批判した。 周受資 (しゅう・じゅし) 最高経営責任者 (CEO) はティックトックに動画を投稿し「我々は退かない」と強調した。 11月の大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は配信禁止を批判している。 運営側はトランプ氏が当選すれば風向きが変わるとみて、法廷闘争を長期化させる可能性もある。 ティックトックは若者を中心に米国で約1億7,000万人が利用しているとされる。 中国政府の情報収集や世論操作に悪用され、安全保障上の脅威になると懸念される一方、禁止すれば言論の自由に反するとの意見もある。 トランプ氏はバイデン大統領の法案署名について、自身のソーシャルメディアで、利用を禁止する責任はバイデン氏にあると非難していた。 (2024年6月16日号に掲載)
AI投資、首位米国10兆円 12位日本のほぼ100倍
May 13, 2024
6/5/2024 人工知能 (AI) に対する2023年の各国の民間投資額で、米国が672億2,000万ドル (約10兆円) と首位だったことがスタンフォード大の推計で分かった。 6億8,000万ドルで12位に甘んじた日本の100倍。 2位の中国は77億6,000万ドル、3位英国は37億8,000万ドルで、日本は大きく後れを取っている。 4位はドイツ (19億1,000万ドル)、5位はスウェーデン (18億9,000万ドル)。 韓国とインドは9位で共に13億9,000万ドル、シンガポールが11位の11億4,000万ドルと、日本の投資額はアジアでも見劣りしている。 米国はデータを学習する仕組み「AIモデル」も2023年に計61と最も多く生み出した。 欧州連合 (EU) の21、中国の15を大幅に上回る。 日本は国別の上位10か国内に入らなかった。 10位はエジプトの2だった。 一方、AIに関して2022年に成立した特許件数では、中国が全体の61.1%を占めた。 米国は20.9%。 スタンフォード大の調査報告書は最先端のAIモデルの開発費用は「かつてない高水準」と指摘。 グーグルの「ジェミニ・ウルトラ」は1億9,100万ドル、対話型AIのチャットGPTを開発したオープンAIは、最新のAIモデル「GPT4」の開発に7,800万ドルを費やしたとの試算を紹介した。 生成AIで本物そっくりに作った偽動画など「ディープフェイク」に関しては、「利用者の政治的な見解に影響を与える可能性について懸念を抱かせる」との警鐘も鳴らした。 ディープフェイクは簡単に作成できる半面、発見は難しい。 選挙への影響を分析し、チャットGPTを例に、AIの回答は政治的に偏る場合があるとした。 スタンフォード大はIT企業が集積するシリコンバレーの名門大で、多くの著名なAI開発者を輩出している。 (2024年6月16日号に掲載)
反戦デモ逮捕者2,000人超、UCLAで200人 強制排除、警察に怒り・・学生「私たちは去らない」
May 13, 2024
5/5/2024 ロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校 (UCLA) で5月2日未明、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃に反対するデモ隊を警察が強制排除し、200人余りを逮捕した。 CNN-TVによると、デモでの逮捕者は4月18日以降、25州の大学40校以上で計2,000人を超えた。 バイデン大統領は5月2日の演説で「抗議する権利はあるが、混乱を引き起こす権利はない」と述べ、大学敷地の一部占拠など違法行為を非難した。 デモは各地で続いており、5月5日時点では収束につながるかどうかは不透明。 11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏は、ガザ情勢をめぐって若者の支持離れが目立ち、難しい対応を迫られている。 米メディアによると、ニュージャージー州のラトガース大では、大学側が中東情勢の研究を強化することや、抗議活動への参加者を処分しないことなどに学生らと合意。 デモ隊がキャンパス内のテントなどを撤収した。 UCLAではデモ隊とイスラエル支持派とみられるグループが衝突して負傷者が出ていた。 5月2日未明に突入した警官隊は、抵抗するデモ参加者らを結束バンドで拘束し、テントやバリケードを撤去した。 ニューヨークのコロンビア大で4月30日に起きたデモ隊による校舎の一時占拠などについて、米メディアは警察関係者の話として、逮捕者282人のうち134人は大学と無関係だったと報じた。 * * * * * 「恥を知れ」。 イスラエルに抗議するデモ隊が強制排除され、学生らが設営したテントも撤去されたニューヨークのコロンビア大で5月1日、大学周辺に再び学生らが集結し、警察への怒りを露 (あら) わにした。 UCLAでも学生らは「ここを去らない」と抵抗の意志を示していたが、警察は強制排除に動いた。 コロンビア大では1960年代後半にベトナム反戦デモが行われた。 ニューヨーク・タイムズ紙は「テレビでベトナム戦争の恐ろしい映像を見て、居ても立ってもいられなくなった学生と、携帯電話でガザの様子を知って行動を起こした学生は似ている」と指摘。 当時と同じ「不正や苦しみに怒る」学生たちだと表現した。 デモ隊とイスラエル支持派とみられるグループの激しい衝突から一夜明けた5月1日のUCLA。 米メディアによると、警察が解散命令を出しても数千人が敷地内に留まり「パレスチナを解放しろ」と掛け声を上げた。 対峙 (たいじ) していた警察は2日未明、バリケードの撤去を始め、次々と学生らを連れ出した。 米国の多くの大学は、運営資金を得るために基金を運用している。 デモの多くはパレスチナへの連帯を示すだけでなく、基金からイスラエルと関係する企業への投資をしないよう大学側に求めている。 UCLAのデモ隊の報道対応や対外発信を担うカイア・シャーさん (23) は強制排除を前に「要求が満たされるまで、ここに籠城する」と地元メディアに語った。 (2024年6月1日号に掲載)
通商協定及び腰に失望、内向き志向、決め手欠く トランプ氏、返り咲けばIPEF破棄、経済政策転換
May 13, 2024
5/5/2024 11月の大統領選で、農産物の輸出増に有益な政策が見えず、農業票が行き場を失っている。 バイデン大統領は貿易拡大につながる通商協定の締結には及び腰で、農家の失望を買う一方、対抗馬のトランプ前大統領も貿易拡大よりも国内保護の立場で内向き志向が強く、決め手に欠いている。 ▽浮揚策なし 「バイデン氏が大統領になってから3年間、農業経営の浮揚策は何もなかった」。 与党民主党が強いとされ、牛肉輸出で全米上位に入る西部コロラド州の農業団体でトップを務めるカーライル・クーリエさん (69) は、人口200人に満たない同州西部の町モリーナに広がる農場を見つめながら溜め息をついた。 農産品の輸出大国である米国にとって、通商協定締結で相手国が輸入関税を引き下げれば市場拡大が期待できる。 ただ、バイデン氏が看板政策として掲げるインフラへの投資や気候変動対策と比べ、通商協定の議論は盛り上がりを欠く。 工業分野などで米国への輸入が増え「協定は雇用を奪う」との懸念が議会に根強いためだ。 クーリエさんは2,500エーカー (約1,000ヘクタール) の広大な農場で肉用牛を500頭飼育。 輸出増は牛肉価格の上昇につながり、通商協定への関心は高い。 2021年以降の牛肉輸出額は堅調に推移するものの、バイデン政権について問うと「化石燃料の使用に厳しい。 環境対応が変わった」と、批判的な意見が口をついた。 ▽違う人物 近郊の町エカートの農家ヒュー・サンドバーグさん (63) も「大きな輸出市場について変化はない」と指摘。 政権は新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み (IPEF)」を推進してきたが、貿易拡大につながる関税削減を含まず「ほとんど知らない」と話した。 トランプ氏については、環太平洋連携協定 (TPP)...
巨大IT4社増益、AIで好業績 1~3月、アップル減益、投資負担
May 13, 2024
5/10/2024 米巨大IT5社の2024年1~3月期決算が出そろった。 生成人工知能 (AI) の需要の高まりを追い風に、アップルを除く4社で純利益が前年同期と比べて増益となった。 純利益の合計は920億3,700万ドル (約14兆円) に上った。 各社は競って生成AIを使ったサービスの導入を進め、成長を後押ししている。 ただ過熱するブームの中で投資負担が重くなっており、収益への影響を懸念する声も出ている。 グーグルの持ち株会社アルファベットは純利益が57%増の236億6,200万ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新した。 マイクロソフト (MS) は20%増の219億3,900万ドル、アマゾン・コムは3.3倍の104億3,100万ドルだった。 各社ともに生成AIの活用を進めるクラウドサービスの成長が牽 (けん) 引した。 アルファベットは主力の検索連動広告も堅調だった。 メタ...
バイデン氏若者離れ深刻 トランプ氏裁判で忙殺
May 13, 2024
5/6/2024 11月の大統領選の投開票まで5か月。 不法移民や人工妊娠中絶に加え、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡り過熱する学生デモが争点に浮上した。 再選を狙う民主党のバイデン大統領は左派からイスラエル寄りだと批判され、若者の支持離れが深刻だ。 共和党のトランプ前大統領は自身の刑事裁判に忙殺され、選挙運動の足枷 (あしかせ) になっている。 2020年に続く再対決は、各種世論調査でバイデン氏がやや劣勢とされる。 CNN-TVが4月に実施した世論調査では、18~34歳の若年層の81%がバイデン氏のガザ対応を「支持しない」と回答した。 バイデン氏は5月2日、ホワイトハウスで「無法国家ではない。 秩序が必要だ」と自制を呼びかけた。 イスラエルによるガザ攻撃に抗議して全米各地の大学で居座るデモ参加者が強制排除され、逮捕・拘束者は4月18日以降、約50校で計2,300人を超えた。 1990年代半ば以降に生まれた若者は「Z世代」と呼ばれ、有権者は4,000万人以上とされる。 民主党支持者が多いが、戦闘休止を働きかけつつも、イスラエル擁護の姿勢を崩さない政権に不満を募らせて「バイデン陣営に深刻な脅威」 (CNN) となっている。 トランプ氏は5月1日、ウィスコンシン州で政権が大学の治安を維持できていないと非難し「安全を取り戻さなければならない。 警察の権限を強化すべきだ」と訴えた。 だが、自身は起訴された4事件のうち不倫口止め疑惑に絡む事件の公判が本格化し、ほぼ連日出廷。 巨額の弁護費用が重くのしかかる。 高齢に伴う衰えが指摘されるバイデン氏と、刑事被告人のトランプ氏が共に敬遠され、無所属の弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏ら「第3の候補」に一定の票が流れる可能性がある。 (2024年6月1日号に掲載)
アリゾナ、中絶禁止の廃止法成立 フロリダ、妊娠6週後は実質禁止
May 13, 2024
5/5/2024 アリゾナ州のケイティ・ホブス知事 (民主党) は5月2日、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁じる州法を廃止する法案に署名、同法が成立した。 米メディアによると、7月までに州議会が閉会した後、90日後に発効する。 同州最高裁が有効性を認めた中絶禁止法は早ければ6月下旬に施行される可能性があり、アリゾナ州は州最高裁に施行を止めるよう求めている。 ホブス氏は演説で生殖の権利の重要性を強調。 アリゾナ州民に「安心を与えることができ、誇りに思う」と述べた。 1864年に制定された禁止法は、連邦最高裁が中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード」判決で死文化していた。 だが、2022年に同判決が覆されたことを受け、州最高裁は今年4月、禁止法が再び施行可能になったとの判断を下した。 中絶容認派から激しい反発があり、中絶権を擁護する民主党の州下院議員が廃止法案を提出。 上下両院が可決していた。 アリゾナ州上院は中絶への反対意見が多い共和党が多数派だが、共和党議員2人が賛成に回り、賛成16、反対14で可決。 賛成した共和党議員は女性票を意識したとみられる。 禁止法は強姦 (ごうかん) や近親相姦 (そうかん) による妊娠を含む中絶を禁じる。 中絶の是非は11月の大統領選の主要争点で、再選を目指すバイデン大統領は生殖の自由を制限すると批判。 返り咲きを狙うトランプ前大統領も「行き過ぎだ」と指摘していた。 (2024年6月1日号に掲載)
NYダウ、円売りドル買い根強く 米政策で円安再加速懸念も
May 6, 2024
2024年4月30日 4月29日の外国為替市場の円相場は乱高下した。 アジア市場で一時1ドル=160円台を付けた後に円高ドル安が急速に進んだが、ニューヨーク市場では日米金利差を意識した円売りドル買いも根強かった。 米連邦準備制度理事会 (FRB) は4月30日~5月1日に金融政策を決める連邦公開市場委員会 (FOMC) を開く予定で、パウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示せば円安が再加速する懸念がある。 6月とみられていたFRBの利下げ開始時期は9月以降にずれ込む公算が大きくなっており、一部では年内は見送りとの見方も浮上している。 4月の最終週は日銀が金融政策決定会合で現状の緩和政策を維持したことや、植田和男総裁の記者会見での発言を受けて円安ドル高が進んだ。 その後、円が急速に買い戻されており、市場関係者から日本政府・日銀が為替介入を実施したとの観測が広がった。 財務省は介入の有無を明かしていない。 財務省で為替政策を指揮する神田真人 (かんだ・まさと) 財務官は4月30日、記者団の取材に「介入の有無を申し上げることはない」とした上で「過度な相場変動が投機によって発生してしまうと国民生活に悪影響を与える」と指摘。 「国際ルールに則 (のっと) って、しかるべく対応する」とも述べた。 4月29日のニューヨーク市場の円相場は午後5時現在、前週末比2円02銭円高ドル安の1ドル=156円30~40銭を付けた。 ユーロは1ユーロ=1.0716~1.0726ドル、167円33~43銭だった。 (2024年5月16日号掲載)
錆びた街、悩む労働者・・・「政治に見捨てられた」 ハイテク産業への転換、ラストベルト労働者の悲嘆
May 1, 2024
2024年5月1日 巨大な製鉄所跡は赤茶色に錆 (さび)、周囲に廃屋が並ぶ。 大統領選で激戦州となるペンシルベニア州ピッツバーグ。 鉄鋼業からハイテク産業への転換に取り残された労働者たちは「政治に見捨てられた」と悲嘆に暮れ、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領のいずれに期待するべきか悩んでいる。 ▽苦境 殺人事件の犠牲者を悼む道路脇の花束が、地域衰退に伴う治安悪化を物語っていた。 郊外の川沿いに朽ちた工場や樹木に覆われた空き家が幾つも佇 (たたず) む。 「俺たちの仕事は国外に流出したままだ」。 4月16日、閉鎖した製鉄所の元労働者フィリップさん (69) は憤りを隠さなかった。 人口約30万人で、鉄鋼の世界最大手だったUSスチール (US スチール) も本社を置くピッツバーグは、ラストベルト...
綱引きの大国、冷めた握手、世界巻き込み薄氷外交 諸国連携を急ぐバイデン政権、米包囲網に抗う習近平
May 1, 2024
2024年5月1日 ブリンケン米国務長官が中国の習近平 (しゅう・きんぺい) 国家主席、王毅 (おう・き) 外相と北京で相次ぎ会談し、関係安定化を図った。 握手の裏で、バイデン政権は対中警戒感を背景に日本や欧州、フィリピンなどとの連携を急ぐ。 習指導部は米主導の包囲網の切り崩しに躍起。 世界各国を自陣に引き込もうと綱引きを続ける2大国は薄氷を踏むような外交を展開している。 ▽手応え 「上海は良い旅でした」。 4月26日、北京の釣魚台 (ちょうぎょだい) 迎賓館。 友好ムードを演出しようと努めるブリンケン氏。 対する王氏は「中国のレッドライン (越えてはならない一線) を踏んではならない」と釘...
米地方紙グループが提訴 AI学習で著作権侵害
May 1, 2024
2024年5月1日 ニューヨーク・デイリーニューズ紙やシカゴ・トリビューン紙など計8つの米地方新聞社は4月30日、対話型人工知能 (AI) の学習に記事を使われて著作権を侵害されたとしてオープンAI、同社と提携するマイクロソフト (MS) を相手取って提訴した。 損害賠償の支払いと、さらなる著作権侵害の差し止めなどを求めている。 米投資ファンドのアルデン・グローバル・キャピタルの傘下にある新聞社が共同で提訴した。 オープンAIの「チャットGPT」やMSの「コパイロット」を含むAI製品のために2社が「著作権で保護された何百万もの記事を許可も支払いもなく盗んだ」と指摘。 また、不正確な内容を新聞社が報じたかのように誤って答えることで新聞社側の信用を傷つけたとも非難した。 オープンAIは「報道機関をサポートするために製品と設計に細心の注意を払っている」とのコメントを出した。 ニューヨーク・タイムズ紙も昨年12月に同様の訴訟を起こしていた。 一方、オープンAIは米AP通信やドイツのアクセル・シュプリンガー、英国フィナンシャル・タイムズ紙 (FT) などと記事使用で提携している。 FTは4月29日にオープンAIと提携したと発表。 利用者がチャットGPTに質問した際、FTの記事の要約や記事へのリンクを回答できる。 FTのジョン・リディング最高経営責任者 (CEO) は「当然ながら、AIプラットフォームが素材の使用料を発行元に支払うのは正しい」との声明を出したが、具体的な使用料は明らかにしなかった。 ニューヨーク・タイムズ紙は記事の無断利用で著作権を侵害されたとして、オープンAIと同社に出資しているMSを昨年12月に提訴した。 (2024年5月16日号掲載)
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