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銃連射装置、禁止は無効 米最高裁、規制団体反発

2024年6月15日 米連邦最高裁は6月14日、銃に取り付けて連射可能にする特殊装置「バンプ・ストック (bump stocks)」の使用や所持を禁止したトランプ前政権の措置について、連邦法から逸脱しているとして無効と判断した。 装置の使用が銃暴力の犠牲者増加を招いており、銃規制団体が反発している。 銃規制の是非は11月の大統領選で争点の一つ。 判事9人のうち保守派6人による多数派意見だった。 銃規制を推進する民主党のバイデン大統領陣営は、共和党のトランプ前政権下で保守化した最高裁が「子供の安全よりも銃ロビーを重視した」と批判した。 銃規制団体ブレイディ・キャンペーン (Brady Campaign) も「破滅的な判断だ。米社会に戦争のための武器が出回るようなことがあってはならない」と非難した。 バンプ・ストックは半自動式の銃に取り付けて、全自動式の銃と同様の連射を可能にする装置で、銃弾を発射する際の反動を利用する。 テキサス州の銃販売店主が使用禁止の無効を求めて提訴していた。 前政権はバンプ・ストックを「マシンガン」の定義に含めると規定を改め、所有者は破壊するか当局に持ち込まなければならないとした。 保守派のクラレンス・トーマス判事は「バンプ・ストックを装着した半自動小銃はマシンガンではないと結論づけた」とした。 トランプ前大統領は銃所有の権利を擁護しているが、2017年にラスベガスで60人が死亡した米史上最悪の銃乱射事件で容疑者 (死亡) がバンプ・ストックを使用し、規制を求める声が強まったことなどを受け、2019年3月に禁止した。   (2024年7月1日号掲載)

中国「核戦力拡大500発」 保有国、抑止力依存深める 核兵器関連に14兆円超支出、9か国で増加幅拡大

2024年6月17日 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所 (SIPRI/本拠地:ソルナ) は6月17日、2024年1月時点で中国が保有する核弾頭数は昨年同月から90発増え、推計500発になったと発表した。 うち24発が実戦配備済みと見込んだ。 「どの国よりも核戦力を速く拡大させている」と指摘。 世界の核弾頭総数 (推計) は12,121発と昨年から微減したが、核兵器開発は進み「各国が核抑止力への依存を深めている」と懸念を示した。 中国について、これまで核弾頭を別に保管していたとみられてきたが、固体燃料型ミサイルをサイロ (地下発射施設) に格納するなどの動きを見せていることから「恐らく少数の核弾頭を配備し始めている」と分析。 将来的には、運搬手段の大陸間弾道ミサイル (ICBM) を核大国の米国やロシアに匹敵するほど多数配備する可能性もあるとした。 実戦配備済みは米国、ロシア、英国、フランスの4か国で、中国が加われば5か国目となる。 「中国の核兵器保有は今後10年増え続ける」と推計した。 北朝鮮は20発増え、推計約50発になった。 核弾頭最大90発分の核分裂性物質を保有しているとみられ、核弾頭数は今後も増加すると予想される。 SIPRは「北朝鮮は他国と同様、戦術核兵器の開発に重点を置きつつある」と分析。 北朝鮮が紛争の初期段階で核を使う危険性もあり得ると警鐘を鳴らした。 ロシアは5,580発、米国は5,044発で、両国で世界の...

揺れるFRB、遠のく目標、金利差縮まらず 利下げ年内1回、9月以降か、根強いインフレ、円安も

2024年6月13日 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会 (FRB) が年内の利下げ回数の見通しを3回から1回に引き下げた。 インフレ率が下げ渋り、物価目標の達成が遠のいているためだ。 揺れるFRBは高い政策金利を維持し、円安基調の主因である日米金利差は縮まらない。 日銀が円安是正も狙った政策調整に動くとの観測もあるが、行方は不透明だ。   ▽変化する意見 「(利下げを) あまりに長く待つと経済に悪影響があるし、早すぎるとこれまでの利上げが台無しになる」。 ジェローム・パウエル議長は6月12日の記者会見で、利下げ時期をめぐる判断の難しさを吐露した。 FRBが四半期ごとに公表する経済見通しは今後の政策の指針となり、会合出席者19人の予測の中央値で占う。 昨年12月時点で今年3回の利下げを見込んでいたが、物価上昇率が一時加速したこともあり、利下げに慎重な意見が拡大。 前回3月は9人が3回の利下げを予測したが、今回は3回が消え、利下げなしが2人から4人に増えた。 今後も金利維持と利下げのどちらが増えるかは経済指標次第になる。   ▽割れる見方 利下げについて見方は割れる。 米シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所 (本拠地:ワシントンDC) のスタン・ボーガー上席研究員は基本路線は1回との見方を示した。 秋の大統領選に向け、景気の下支えとなる利下げを求める民主党と、利下げを避けたい共和党の意向を踏まえるとも指摘。 「政治的中立を示すために、利下げは選挙後になるだろう」とし、対応が後手に回ることを懸念した。 一方、英シンクタンク、パンテオン・マクロエコノミクス (本拠地:英国ニューカッスルアポンタイン) のチーフエコノミスト、イアン・シェパードソン氏は、物価上昇率の僅かな上方修正と比べて「利下げ回数を2回減らしたことは強引だ」と批判。 雇用環境は夏に悪化するとし、FRBが見通しより利下げを増やす方向に軌道修正を迫られるだろうと指摘した。   ▽高金利続く 米国の高金利長期化で、日本経済は円安に悩まされている。 円相場は4月に一時1ドル=160円台まで下落。 日本政府、日銀は4月と5月に総額9兆7,885億円と過去最大の為替介入に踏み切った。 5月3日には一時151円台まで円が買われたが、その後は円安基調に戻っている。 高い金利水準が続く米国に対し、日本は3月にマイナス金利を解除したばかり。 市場ではFRBの利下げや日銀の利上げによって差が縮まらない限り、円安は続くとの見方が出ている。 国際通貨基金 (IMF)...

米政権は「ゲシュタポ」  トランプ氏、起訴を批判

5/22/2024 2024年大統領選で共和党候補指名が確実なトランプ前大統領は5月初旬、フロリダ州の私邸で開いた会合で、バイデン民主党政権をナチス・ドイツの秘密国家警察に準 (なぞら) えて「ゲシュタポ政権」と発言した。 自身への起訴は政治的な動機によるものだと改めて批判した。 非公開会合の録音をニューヨーク・タイムズ紙が入手して報じた。 ユダヤ系人権団体はゲシュタポと政権の対比を「侮辱的で嘆かわしい」と反発した。 トランプ氏は中南米からの不法移民が米国の「血を汚している」と発言したことがあり、バイデン陣営はユダヤ人を迫害したナチスが使用した言葉を想起させると非難していた。 トランプ氏は会合で、議会襲撃事件の捜査を担当している司法省のジャック・スミス特別検察官の外見を揶揄 (やゆ) し「もてない野郎だ」と罵 (ののし) った。 一方、バイデン政権は反ユダヤ主義への対抗施策を発表。 パレスチナ自治区ガザ情勢をめぐる学生デモで暴力や憎悪の事例があると指摘。 取り組みとして、反ユダヤ主義の証明を示す手引を全米の大学に発出した。 オンラインでの反ユダヤ主義コンテンツに関し、IT企業に情報提供して規制強化に役立てる。 バイデン大統領はワシントンのホロコースト記念博物館 (US Holocaust...

如何に信奉者と向き合うか、蔓延する陰謀論 学生模索、理解への道は「異論排除せず」

6/1/2024 「間違いだと気付いたときには手遅れで、軌道修正は困難だと思う」「ソーシャルメディアの登場が影響しているのではないか」。 2月下旬、イリノイ州の名門シカゴ大の教室で16人の学生が激論を交わしていた。 テーマは米社会にはびこる陰謀論だ。 「陰謀論の問題は信奉者が他の人々と理解し合えなくなることだ」。 講義を担当する政治学者ウィンストン・バーグ (32) が語りかける。 陰謀論の危険性を一方的に指摘して排除するのではなく、信じて疑わない人々とどう向き合うか。 2か月余りの講義で学生たちは模索し続けた。   ▽闇の政府 「2021年の米連邦議会襲撃は連邦捜査局 (FBI) が仕組んだ」「人気歌手のテイラー・スウィフトはバイデン民主党政権の手先だ」――。 各世論調査によると、米国ではこうした根拠のない主張を共和党員の約3割が信じている。 根底にあるのは、首都ワシントンに巣くう一部エリート層が「ディープステート (闇の政府/Deep State) 」をつくり、秘密裏に権力を握って米国を操っているとの論理だ。 今年11月の大統領選で共和党候補指名獲得を確定させた前大統領ドナルド・トランプはこれを徹底的に利用、拡散してきた。 既存政治打破を掲げ、自身を批判する民主党を中心とした敵対勢力にディープステートのレッテルを貼って攻撃。 既得権益と戦う姿勢を演出することで求心力を高めた。 2020年大統領選に敗れたトランプが選挙は不正だったと主張すると、陰謀論勢力「Qアノン/QAnon」が共鳴。 選挙結果を覆そうと議会襲撃に加わった者もおり、民主主義の根幹を揺るがす事態となった。 「ディープステートを解体し、政府を取り戻す」 トランプは2022年11月の大統領選再出馬表明でも宣言した。 今回の選挙戦も陰謀論は止みそうにない。   ▽分断 陰謀論自体はこれまでも米社会に存在し、多数の書籍が出版されてきたが、飽くまでも意識流の存在だった。 それがトランプの台頭により「米政治を理解する鍵となった」と、カリフォルニア大デービス校教授キャスリン・オルムステッドは指摘する。 深まる社会の分断の遠因を探ろうと、多くの大学でも講義に取り上げられている。 「バカげていると相手にしていなかったけど、真実と思わせる内容が含まれているかもしれないと思うようになった」。 シカゴ大4年のイザベラ・デバイン (22)...

イランのイスラエル報復攻撃、戦火拡大リスク 米国から自制要請、ネタニヤフ政権対応に苦慮

6/1/2024 4月に起きたイランによるイスラエルへの報復攻撃以降、イスラエル政府が対応に苦慮している。 イランから初の直接攻撃を受け、苛烈な反撃を求める声がある一方、後ろ盾のバイデン米政権は自制を要請。 大規模な反撃は再報復と戦火拡大のリスクを孕 (はら) み、慎重な対応に終始すれば「弱腰」との批判は必至だ。 イランにいかに反撃すべきか――。 議論百出の中、ベンヤミン・ネタニヤフ政権はジレンマに直面している。   ▽紛糾 「待つ必要はない。 すぐに反撃すべき」。 イランが無人機やミサイルを発射した直後、イスラエル中部テルアビブの国防省。 戦時内閣閣議でベニー・ガンツ元国防相らが訴えた。 即座に反撃すれば、国際社会から自制要請がある前に完了できるとの考えだった。 ヨアヴ・ガラント国防相らは米国との調整が必要だとして反対。 閣議は紛糾し、結局、その日は結論に至らなかった。 その後も反撃の必要性では一致するが、時期や標的、方法をめぐり意見は割れている。   ▽新局面 両国はこれまで関連船舶への攻撃やイスラエルと親イラン民兵組織の交戦など、直接衝突を避ける形で「闇の戦争」を続けてきた。 だが、在シリア・イラン大使館攻撃への報復とはいえ、今回のイランによる直接攻撃で「ゲームのルールが変わった」 (イスラエル軍元幹部)。 イランは湾岸戦争 (1991年) のイラク以来、イスラエルを攻撃した初めての国家となった。 イスラエル軍元幹部は「イランに代償を払わせなければ、次の攻撃を抑止できない」と強調する。 ただ、パレスチナ自治区ガザではイスラム組織ハマスとの戦闘が継続。 レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラとも交戦状態にある中で、イラン本国とも矛 (ほこ) を交えるのは避けたいのがネタニヤフ政権の本音だ。   ▽計算 同じく全面衝突を避けたいイラン。 報復攻撃で「問題は終結したと見なせる」と幕引きを図った上で「反撃があれば報復する」(アミール・アブドラヒアン外相 )...

ロシアのハッカー指導者起訴 連邦大陪審、120か国で被害

5/21/2024 ニュージャージー州の連邦大陪審は5月初旬、身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア (ransomware)」を使ったサイバー攻撃を繰り返したとして、ロシア拠点のハッカー集団「ロックビット (LockBit)」の指導者ドミトリー・ホロシェフ被告 (31) を起訴した。 米国のほか、日本や中国など120か国近くで被害が確認されたとしている。 被告はロシア国籍で、身柄は拘束されていない。 米政府は英国やオーストラリアと共同で被告を制裁対象に指定した。 財務省によると、ロックビットは2020年1月以降、世界でランサムウエアを使ったサイバー攻撃を2,500以上の企業や個人などを対象に繰り返し、計5億ドル (約770億円) 以上を騙 (だま) し取った。 起訴状によると、被告は2019年9月頃から今年5月頃までロックビットを管理し、ニュージャージー州を含む米国内や国外で企業や自治体、捜査当局などにサイバー攻撃を仕掛けたとされる。 国務省は被告の拘束につながる情報に最大で1,000万ドル...

ヘイリー氏支持票の行方は? 激戦州で共和党の16%獲得

6/1/2024 2024年大統領選まで5か月。 共和党候補指名争いから3月6日に撤退したニッキー・ヘイリー元国連大使の支持者の票が、11月の本選でどの候補に流れるのか注目されている。 激戦が見込まれるペンシルベニア州では4月の共和党予備選で、投票総数の16.6%に当たる16万票近くをヘイリー氏が獲得。 トランプ前大統領でまとまり切れない党の現状が浮かんだ。 民主党のバイデン大統領の陣営は党派を超えた支持を呼びかけ、「トランプ氏に夢中になる国民より、国を愛する気持ちでつながる国民の方が多い」と秋波 (しゅうは) を送った。 AP通信によると、ペンシルベニア州の共和党予備選では、党候補指名が確定したトランプ氏が約79万2,000票。 ヘイリー氏は穏健派の割合が比較的高い都市部や郊外で根強い支持を受けて約15万8,000票と、前回の2020年大統領選の際に同州でトランプ氏がバイデン氏に敗れた票差約8万票の2倍近くに上る。 選挙専門家は、今回もトランプ氏とバイデン氏の接戦が予想される中で「無視できる数字ではない」と分析する。 ヘイリー氏は15州の予備選などが集中したスーパーチューズデーの直後に撤退を表明。 トランプ氏への支持を表明せず、X (旧ツイッター) での発信も減っている。 トランプ氏は4月に党候補指名争いから撤退したフロリダ州のロン・デサンティス知事と会談し、協力を確認した。 挙党態勢の構築を図るが、ヘイリー氏の支持者には議会襲撃事件などで起訴されたトランプ氏を嫌う穏健派が多い。 指名争いでトランプ氏がヘイリー氏を罵 (ののし) ってきたことも響いている。 (2024年6月16日号に掲載)

TikTokが米政府提訴 「禁止法」の差し止め求め

5/20/2024 バイデン大統領は4月、中国系動画投稿アプリ「TikTok (ティックトック)」の、全米におけるアプリ配信禁止を可能にする法案に署名し、同法が成立した。 ティックトックの運営会社は、大統領の署名を受けて声明を発表し「憲法に反する法律だ。 法廷で闘い、最終的に勝利する」と反発した。 同法は、ティックトック運営会社の親会社、北京字節跳動科技 (バイトダンス) に対して、来年1月を期限に米国事業を非中国企業に売却するよう求め、応じない場合は米国でのアプリ配信を禁じるという内容。 中国政府はティックトックのデータが非中国企業に渡ることを望んでおらず、運営側は全面的に争う構えだ。 運営会社は声明で、米国のデータを安全に保ち、外部の影響から守るため巨額の投資を続けてきたとし、同法が多数の米国人を「沈黙させる」と批判した。 周受資 (しゅう・じゅし) 最高経営責任者 (CEO) はティックトックに動画を投稿し「我々は退かない」と強調した。 11月の大統領選で返り咲きを目指す共和党のトランプ前大統領は配信禁止を批判している。 運営側はトランプ氏が当選すれば風向きが変わるとみて、法廷闘争を長期化させる可能性もある。 ティックトックは若者を中心に米国で約1億7,000万人が利用しているとされる。 中国政府の情報収集や世論操作に悪用され、安全保障上の脅威になると懸念される一方、禁止すれば言論の自由に反するとの意見もある。 トランプ氏はバイデン大統領の法案署名について、自身のソーシャルメディアで、利用を禁止する責任はバイデン氏にあると非難していた。   (2024年6月16日号に掲載)

AI投資、首位米国10兆円 12位日本のほぼ100倍

6/5/2024 人工知能 (AI) に対する2023年の各国の民間投資額で、米国が672億2,000万ドル (約10兆円) と首位だったことがスタンフォード大の推計で分かった。 6億8,000万ドルで12位に甘んじた日本の100倍。 2位の中国は77億6,000万ドル、3位英国は37億8,000万ドルで、日本は大きく後れを取っている。 
4位はドイツ (19億1,000万ドル)、5位はスウェーデン (18億9,000万ドル)。 韓国とインドは9位で共に13億9,000万ドル、シンガポールが11位の11億4,000万ドルと、日本の投資額はアジアでも見劣りしている。 
米国はデータを学習する仕組み「AIモデル」も2023年に計61と最も多く生み出した。 欧州連合 (EU) の21、中国の15を大幅に上回る。 日本は国別の上位10か国内に入らなかった。 10位はエジプトの2だった。 
一方、AIに関して2022年に成立した特許件数では、中国が全体の61.1%を占めた。 米国は20.9%。 
スタンフォード大の調査報告書は最先端のAIモデルの開発費用は「かつてない高水準」と指摘。 グーグルの「ジェミニ・ウルトラ」は1億9,100万ドル、対話型AIのチャットGPTを開発したオープンAIは、最新のAIモデル「GPT4」の開発に7,800万ドルを費やしたとの試算を紹介した。 
生成AIで本物そっくりに作った偽動画など「ディープフェイク」に関しては、「利用者の政治的な見解に影響を与える可能性について懸念を抱かせる」との警鐘も鳴らした。 ディープフェイクは簡単に作成できる半面、発見は難しい。 選挙への影響を分析し、チャットGPTを例に、AIの回答は政治的に偏る場合があるとした。 
スタンフォード大はIT企業が集積するシリコンバレーの名門大で、多くの著名なAI開発者を輩出している。 (2024年6月16日号に掲載)

反戦デモ逮捕者2,000人超、UCLAで200人 強制排除、警察に怒り・・学生「私たちは去らない」

5/5/2024 ロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校 (UCLA) で5月2日未明、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃に反対するデモ隊を警察が強制排除し、200人余りを逮捕した。 CNN-TVによると、デモでの逮捕者は4月18日以降、25州の大学40校以上で計2,000人を超えた。 バイデン大統領は5月2日の演説で「抗議する権利はあるが、混乱を引き起こす権利はない」と述べ、大学敷地の一部占拠など違法行為を非難した。 デモは各地で続いており、5月5日時点では収束につながるかどうかは不透明。 11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏は、ガザ情勢をめぐって若者の支持離れが目立ち、難しい対応を迫られている。 米メディアによると、ニュージャージー州のラトガース大では、大学側が中東情勢の研究を強化することや、抗議活動への参加者を処分しないことなどに学生らと合意。 デモ隊がキャンパス内のテントなどを撤収した。 UCLAではデモ隊とイスラエル支持派とみられるグループが衝突して負傷者が出ていた。 5月2日未明に突入した警官隊は、抵抗するデモ参加者らを結束バンドで拘束し、テントやバリケードを撤去した。 ニューヨークのコロンビア大で4月30日に起きたデモ隊による校舎の一時占拠などについて、米メディアは警察関係者の話として、逮捕者282人のうち134人は大学と無関係だったと報じた。 *  *  *  *  * 「恥を知れ」。 イスラエルに抗議するデモ隊が強制排除され、学生らが設営したテントも撤去されたニューヨークのコロンビア大で5月1日、大学周辺に再び学生らが集結し、警察への怒りを露 (あら) わにした。 UCLAでも学生らは「ここを去らない」と抵抗の意志を示していたが、警察は強制排除に動いた。 コロンビア大では1960年代後半にベトナム反戦デモが行われた。 ニューヨーク・タイムズ紙は「テレビでベトナム戦争の恐ろしい映像を見て、居ても立ってもいられなくなった学生と、携帯電話でガザの様子を知って行動を起こした学生は似ている」と指摘。 当時と同じ「不正や苦しみに怒る」学生たちだと表現した。 デモ隊とイスラエル支持派とみられるグループの激しい衝突から一夜明けた5月1日のUCLA。 米メディアによると、警察が解散命令を出しても数千人が敷地内に留まり「パレスチナを解放しろ」と掛け声を上げた。 対峙 (たいじ) していた警察は2日未明、バリケードの撤去を始め、次々と学生らを連れ出した。 米国の多くの大学は、運営資金を得るために基金を運用している。 デモの多くはパレスチナへの連帯を示すだけでなく、基金からイスラエルと関係する企業への投資をしないよう大学側に求めている。 UCLAのデモ隊の報道対応や対外発信を担うカイア・シャーさん (23) は強制排除を前に「要求が満たされるまで、ここに籠城する」と地元メディアに語った。 (2024年6月1日号に掲載)  

通商協定及び腰に失望、内向き志向、決め手欠く トランプ氏、返り咲けばIPEF破棄、経済政策転換

5/5/2024 11月の大統領選で、農産物の輸出増に有益な政策が見えず、農業票が行き場を失っている。 バイデン大統領は貿易拡大につながる通商協定の締結には及び腰で、農家の失望を買う一方、対抗馬のトランプ前大統領も貿易拡大よりも国内保護の立場で内向き志向が強く、決め手に欠いている。   ▽浮揚策なし 「バイデン氏が大統領になってから3年間、農業経営の浮揚策は何もなかった」。 与党民主党が強いとされ、牛肉輸出で全米上位に入る西部コロラド州の農業団体でトップを務めるカーライル・クーリエさん (69) は、人口200人に満たない同州西部の町モリーナに広がる農場を見つめながら溜め息をついた。 農産品の輸出大国である米国にとって、通商協定締結で相手国が輸入関税を引き下げれば市場拡大が期待できる。 ただ、バイデン氏が看板政策として掲げるインフラへの投資や気候変動対策と比べ、通商協定の議論は盛り上がりを欠く。 工業分野などで米国への輸入が増え「協定は雇用を奪う」との懸念が議会に根強いためだ。 クーリエさんは2,500エーカー (約1,000ヘクタール) の広大な農場で肉用牛を500頭飼育。 輸出増は牛肉価格の上昇につながり、通商協定への関心は高い。 2021年以降の牛肉輸出額は堅調に推移するものの、バイデン政権について問うと「化石燃料の使用に厳しい。 環境対応が変わった」と、批判的な意見が口をついた。   ▽違う人物 近郊の町エカートの農家ヒュー・サンドバーグさん (63) も「大きな輸出市場について変化はない」と指摘。 政権は新たな経済圏構想「インド太平洋経済枠組み (IPEF)」を推進してきたが、貿易拡大につながる関税削減を含まず「ほとんど知らない」と話した。 トランプ氏については、環太平洋連携協定 (TPP)...

巨大IT4社増益、AIで好業績  1~3月、アップル減益、投資負担

5/10/2024 米巨大IT5社の2024年1~3月期決算が出そろった。 生成人工知能 (AI) の需要の高まりを追い風に、アップルを除く4社で純利益が前年同期と比べて増益となった。 純利益の合計は920億3,700万ドル (約14兆円) に上った。 各社は競って生成AIを使ったサービスの導入を進め、成長を後押ししている。 ただ過熱するブームの中で投資負担が重くなっており、収益への影響を懸念する声も出ている。 グーグルの持ち株会社アルファベットは純利益が57%増の236億6,200万ドルとなり、四半期ベースで過去最高を更新した。 マイクロソフト (MS) は20%増の219億3,900万ドル、アマゾン・コムは3.3倍の104億3,100万ドルだった。 各社ともに生成AIの活用を進めるクラウドサービスの成長が牽 (けん) 引した。 アルファベットは主力の検索連動広告も堅調だった。 メタ...

バイデン氏若者離れ深刻 トランプ氏裁判で忙殺 

5/6/2024 11月の大統領選の投開票まで5か月。 不法移民や人工妊娠中絶に加え、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡り過熱する学生デモが争点に浮上した。 再選を狙う民主党のバイデン大統領は左派からイスラエル寄りだと批判され、若者の支持離れが深刻だ。 共和党のトランプ前大統領は自身の刑事裁判に忙殺され、選挙運動の足枷 (あしかせ) になっている。 2020年に続く再対決は、各種世論調査でバイデン氏がやや劣勢とされる。 CNN-TVが4月に実施した世論調査では、18~34歳の若年層の81%がバイデン氏のガザ対応を「支持しない」と回答した。 バイデン氏は5月2日、ホワイトハウスで「無法国家ではない。 秩序が必要だ」と自制を呼びかけた。 イスラエルによるガザ攻撃に抗議して全米各地の大学で居座るデモ参加者が強制排除され、逮捕・拘束者は4月18日以降、約50校で計2,300人を超えた。 1990年代半ば以降に生まれた若者は「Z世代」と呼ばれ、有権者は4,000万人以上とされる。 民主党支持者が多いが、戦闘休止を働きかけつつも、イスラエル擁護の姿勢を崩さない政権に不満を募らせて「バイデン陣営に深刻な脅威」 (CNN) となっている。 トランプ氏は5月1日、ウィスコンシン州で政権が大学の治安を維持できていないと非難し「安全を取り戻さなければならない。 警察の権限を強化すべきだ」と訴えた。 だが、自身は起訴された4事件のうち不倫口止め疑惑に絡む事件の公判が本格化し、ほぼ連日出廷。 巨額の弁護費用が重くのしかかる。 高齢に伴う衰えが指摘されるバイデン氏と、刑事被告人のトランプ氏が共に敬遠され、無所属の弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏ら「第3の候補」に一定の票が流れる可能性がある。 (2024年6月1日号に掲載)

アリゾナ、中絶禁止の廃止法成立 フロリダ、妊娠6週後は実質禁止

5/5/2024 アリゾナ州のケイティ・ホブス知事 (民主党) は5月2日、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁じる州法を廃止する法案に署名、同法が成立した。 米メディアによると、7月までに州議会が閉会した後、90日後に発効する。 同州最高裁が有効性を認めた中絶禁止法は早ければ6月下旬に施行される可能性があり、アリゾナ州は州最高裁に施行を止めるよう求めている。 ホブス氏は演説で生殖の権利の重要性を強調。 アリゾナ州民に「安心を与えることができ、誇りに思う」と述べた。 1864年に制定された禁止法は、連邦最高裁が中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード」判決で死文化していた。 だが、2022年に同判決が覆されたことを受け、州最高裁は今年4月、禁止法が再び施行可能になったとの判断を下した。 中絶容認派から激しい反発があり、中絶権を擁護する民主党の州下院議員が廃止法案を提出。 上下両院が可決していた。 アリゾナ州上院は中絶への反対意見が多い共和党が多数派だが、共和党議員2人が賛成に回り、賛成16、反対14で可決。 賛成した共和党議員は女性票を意識したとみられる。 禁止法は強姦 (ごうかん) や近親相姦 (そうかん) による妊娠を含む中絶を禁じる。 中絶の是非は11月の大統領選の主要争点で、再選を目指すバイデン大統領は生殖の自由を制限すると批判。 返り咲きを狙うトランプ前大統領も「行き過ぎだ」と指摘していた。   (2024年6月1日号に掲載)

NYダウ、円売りドル買い根強く 米政策で円安再加速懸念も

2024年4月30日 4月29日の外国為替市場の円相場は乱高下した。 アジア市場で一時1ドル=160円台を付けた後に円高ドル安が急速に進んだが、ニューヨーク市場では日米金利差を意識した円売りドル買いも根強かった。 米連邦準備制度理事会 (FRB) は4月30日~5月1日に金融政策を決める連邦公開市場委員会 (FOMC) を開く予定で、パウエル議長が利下げに慎重な姿勢を示せば円安が再加速する懸念がある。 6月とみられていたFRBの利下げ開始時期は9月以降にずれ込む公算が大きくなっており、一部では年内は見送りとの見方も浮上している。 4月の最終週は日銀が金融政策決定会合で現状の緩和政策を維持したことや、植田和男総裁の記者会見での発言を受けて円安ドル高が進んだ。 その後、円が急速に買い戻されており、市場関係者から日本政府・日銀が為替介入を実施したとの観測が広がった。 財務省は介入の有無を明かしていない。 財務省で為替政策を指揮する神田真人 (かんだ・まさと) 財務官は4月30日、記者団の取材に「介入の有無を申し上げることはない」とした上で「過度な相場変動が投機によって発生してしまうと国民生活に悪影響を与える」と指摘。 「国際ルールに則 (のっと) って、しかるべく対応する」とも述べた。 4月29日のニューヨーク市場の円相場は午後5時現在、前週末比2円02銭円高ドル安の1ドル=156円30~40銭を付けた。 ユーロは1ユーロ=1.0716~1.0726ドル、167円33~43銭だった。 (2024年5月16日号掲載)

錆びた街、悩む労働者・・・「政治に見捨てられた」 ハイテク産業への転換、ラストベルト労働者の悲嘆

2024年5月1日 巨大な製鉄所跡は赤茶色に錆 (さび)、周囲に廃屋が並ぶ。 大統領選で激戦州となるペンシルベニア州ピッツバーグ。 鉄鋼業からハイテク産業への転換に取り残された労働者たちは「政治に見捨てられた」と悲嘆に暮れ、民主党のバイデン大統領と共和党のトランプ前大統領のいずれに期待するべきか悩んでいる。   ▽苦境 殺人事件の犠牲者を悼む道路脇の花束が、地域衰退に伴う治安悪化を物語っていた。 郊外の川沿いに朽ちた工場や樹木に覆われた空き家が幾つも佇 (たたず) む。 「俺たちの仕事は国外に流出したままだ」。 4月16日、閉鎖した製鉄所の元労働者フィリップさん (69) は憤りを隠さなかった。 人口約30万人で、鉄鋼の世界最大手だったUSスチール (US スチール) も本社を置くピッツバーグは、ラストベルト...

綱引きの大国、冷めた握手、世界巻き込み薄氷外交 諸国連携を急ぐバイデン政権、米包囲網に抗う習近平

2024年5月1日 ブリンケン米国務長官が中国の習近平 (しゅう・きんぺい) 国家主席、王毅 (おう・き) 外相と北京で相次ぎ会談し、関係安定化を図った。 握手の裏で、バイデン政権は対中警戒感を背景に日本や欧州、フィリピンなどとの連携を急ぐ。 習指導部は米主導の包囲網の切り崩しに躍起。 世界各国を自陣に引き込もうと綱引きを続ける2大国は薄氷を踏むような外交を展開している。   ▽手応え 「上海は良い旅でした」。 4月26日、北京の釣魚台 (ちょうぎょだい) 迎賓館。 友好ムードを演出しようと努めるブリンケン氏。 対する王氏は「中国のレッドライン (越えてはならない一線) を踏んではならない」と釘...

米地方紙グループが提訴 AI学習で著作権侵害

2024年5月1日 ニューヨーク・デイリーニューズ紙やシカゴ・トリビューン紙など計8つの米地方新聞社は4月30日、対話型人工知能 (AI) の学習に記事を使われて著作権を侵害されたとしてオープンAI、同社と提携するマイクロソフト (MS) を相手取って提訴した。 損害賠償の支払いと、さらなる著作権侵害の差し止めなどを求めている。 米投資ファンドのアルデン・グローバル・キャピタルの傘下にある新聞社が共同で提訴した。 オープンAIの「チャットGPT」やMSの「コパイロット」を含むAI製品のために2社が「著作権で保護された何百万もの記事を許可も支払いもなく盗んだ」と指摘。 また、不正確な内容を新聞社が報じたかのように誤って答えることで新聞社側の信用を傷つけたとも非難した。 オープンAIは「報道機関をサポートするために製品と設計に細心の注意を払っている」とのコメントを出した。 ニューヨーク・タイムズ紙も昨年12月に同様の訴訟を起こしていた。 一方、オープンAIは米AP通信やドイツのアクセル・シュプリンガー、英国フィナンシャル・タイムズ紙 (FT) などと記事使用で提携している。 FTは4月29日にオープンAIと提携したと発表。 利用者がチャットGPTに質問した際、FTの記事の要約や記事へのリンクを回答できる。 FTのジョン・リディング最高経営責任者 (CEO) は「当然ながら、AIプラットフォームが素材の使用料を発行元に支払うのは正しい」との声明を出したが、具体的な使用料は明らかにしなかった。 ニューヨーク・タイムズ紙は記事の無断利用で著作権を侵害されたとして、オープンAIと同社に出資しているMSを昨年12月に提訴した。   (2024年5月16日号掲載)

元通訳水原容疑者を訴追、大谷選手は被害者と米検察

2024年4月12日 ロサンゼルスの連邦地検は4月11日、銀行詐欺容疑で大リーグ、ドジャース・大谷翔平選手 (29) の元通訳・水原一平容疑者 (39) を訴追したと発表した。 違法賭博の借金を返すため、大谷選手の口座から胴元側に1,600万ドル (約24億5,000万円) 以上を不正送金したとしている。 大谷選手は送金を知らず、許可もしておらず被害者だと指摘した。 水原容疑者は翌12日に同地裁に出廷。 水原容疑者が正式に起訴され、有罪評決が出れば、最高で禁錮30年が科される可能性がある。 連邦地検によると、水原容疑者は送金のため、大谷選手を装って銀行に電話した疑いがある。 大谷選手は4月上旬に捜査当局から事情聴取を受け、送金への関与を否定した。 連邦地検が開示した裁判資料によると、大谷選手が提出した携帯電話からは、送金や違法賭博について関知していたことを示す証拠はなかったという。 連邦地検によると、水原容疑者は2021年9月に違法スポーツ賭博を始めた。 多額の損失を抱え始めた数か月後までに、大谷選手の口座の連絡先が水原容疑者の電話番号などに変更された疑いがある。 送金したのは22021年11月から2024年1月までで、水原容疑者が関係する機器やIPアドレスが使われていた。 担当検事は記者会見で「大谷選手は事件の被害者」と強調。 水原容疑者が野球賭博をしていたことは確認できなかったと説明した。 水原容疑者は2018年、大谷選手の銀行口座の開設を手伝った。 大谷選手の野球選手としての収入はこの口座に入金されていた。 他の口座も含めて、大谷選手が水原容疑者に管理を任せたことはなかったが、水原容疑者は大谷選手の会計担当らに対し、口座にアクセスしないよう大谷選手が求めていると伝えたとされる。 水原容疑者は違法賭博問題の発覚を受けて球団を解雇された。   不正送金24億円超の疑い、有罪認めれば司法取引へ  ロサンゼルスの連邦地検が大谷選手の元通訳・水原容疑者を銀行詐欺罪で訴追した。 Q:訴追とは? A:検察が裁判所に犯罪の容疑者であると信じる相当な理由を提示し、刑事責任を追及すること。今回は連邦地裁に捜査官の宣誓証言が提出された。水原容疑者が違法賭博で多額の損失を出し、大谷選手の銀行口座から不正に送金したとする過程が詳述されている。 Q:今後の流れは? A:水原容疑者は4月12日に同地裁に出廷する。 罪状認否の機会が設定される見込みで、有罪を認めた場合は量刑に関する司法取引が成立する可能性が高くなる。司法取引があっても実刑20~30年は免れないかもしれない。   (2024年5月1日号掲載)

岸田首相ジョーク、沸く夕食会 多様な顔触れ、日米友好に彩り

2024年4月11日 国賓待遇で訪米した岸田文雄首相は4月10日夜、バイデン大統領夫妻がホワイトハウスで開いた公式夕食会に出席した。 ジョークを織り交ぜ、人気SFシリーズの名文句を引用した英語のスピーチを披露して会場を沸かせた。 人気音楽ユニットやアスリート、著名実業家ら日米の多様な顔触れが招かれ、友好の場に彩りを添えた。 岸田氏は「妻の裕子 (ゆうこ) が『誰が主賓なのか見分けるのが難しい』と言っていた。大統領の隣の席に案内され、私はホッとした」と語ると、場内は大きな笑いに包まれ、バイデン氏も満面の笑みを浮かべた。 緊密な日米関係に触れた上で、人気SFシリーズ「スター・トレック」の名セリフを引用して「前人未到の地へ果敢に行こう」と呼びかけ、スピーチを締めた。 首相就任以来「検討する」との国会答弁を重ねて「検討使 (けんとうし)」と揶揄 (やゆ) されてきたが、違った一面を見せた。 米側の招待リストによると、日本の音楽ユニット「YOASOBI」の2人や俳優ロバート・デニーロさん、歌手のポール・サイモンさんが出席。 車いすテニス男子のトップ選手として活躍した国枝慎吾 (くにえだ・しんご) さんや日系米国人で往年のフィギュアスケートの名選手クリスティ・ヤマグチさんの名前もあった。 ソフトバンク創業者の孫正義 (そん・まさよし)...

銃乱射犯の両親に禁錮刑 米国で初ケース、過失致死罪

2024年4月10日 ミシガン州の高校で2021年11月、当時15歳の少年=終身刑で服役中=が拳銃を乱射して生徒4人を殺害した事件で、同州地裁は4月9日、過失致死罪で少年の父親 (47) と母親 (46) にそれぞれ禁錮10年以上を言い渡した。 AP通信によると、米国内の学校での乱射事件で実行犯の親が有罪となるのは初のケースで、極めて異例。 地裁判事は、両親には少年の犯行を食い止める機会が何度もあったと指摘し「子育ての問題ではない。 身の毛がよだつような出来事を無視した結果だ」と強調した。 両親はいずれも10年間の服役後に仮釈放の対象となり、最長で禁錮15年となる可能性がある。 米メディアによると、高校は事件当日、銃と負傷した人を描いた少年の絵を発見し、両親を呼び出して帰宅させるよう求めた。 両親は仕事を理由に断り、少年に拳銃を買い与えていたことも高校に伝えなかった。 地裁の陪審が今年2月に母親、3月には父親に有罪評決を下した。 検察は、両親が拳銃の管理を怠っていたと指摘。 少年が精神的に不安定だったにもかかわらず、適切な治療を受けさせず、事件を引き起こした責任があると糾弾。 被告側は事件は予見不可能だったとして、親の刑事責任を認めれば危険な前例になると主張していた。 男子生徒は学校内で苛 (いじ) めを受けていたなど、以前から生徒間のトラブルがあったとの情報もある。 *イラストはイメージ (2024年5月1日号掲載)

習指導部「国共合作」で日米に対抗 バイデン /岸田首脳会談を牽制

2024年4月10日 日米首脳会談のタイミングにぶつけるかのように、中国の習近平 (しゅう・きんぺい) 国家主席が4月10日に台湾の馬英九 (ば・えいきゅう) 前総統と会談した。 習指導部は独立派と見なす台湾与党、民主進歩党(民進党)新政権と日米の連携に対抗する「最大の効果」(中国の外交筋)を狙った。 中国共産党は、馬氏が所属する対中融和路線の国民党を取り込み、「国共合作」で統一を進めたい考えだ。   ▽揺さぶり それぞれ赤と青のネクタイをした習氏と馬氏。 笑顔で16秒間、約8年半ぶりの握手を交わした。 会談で「中華民族は偉大な民族だ」と言う習氏に「(中台の) 人民は共に中華民族に属する」と応じる馬氏。 「馬先生」「習先生」と呼び合った。 習指導部は「一つの中国」を認めない民進党政権を敵視。 1月の台湾総統選で同党の頼清徳 (らい・せいとく) 副総統が当選後、台湾に圧力をかけている。 台湾の離島、金門島付近で2月に起きた中国漁船転覆事故を契機に、海警局によるパトロールを常態化し現状変更の動きを見せる。  一方、総統選と同時実施の立法委員(国会議員)選で国民党が第1党となったことを念頭に中国は「民進党は台湾の主流の民意を代表しているわけではない」(台湾事務弁公室)とも主張。 それでも「3期連続の民進党に対する長期政権への危機感」(香港の政治学者) から、民進党と国民党に硬軟両様の対応を取り、台湾社会を揺さぶる。   ▽緩和 日米は5月に発足する頼氏の新政権とも連携を強化させる方針。 4月10日は台湾防衛支援などを定めた米国の台湾関係法成立からちょうど45年の記念日でもある。 民進党の一部立法委員は「中国は馬氏との会談を対米圧力の道具にし、(馬氏は)...

NY株、2日連続で最高値 年内3回利下げに期待

2024年3月21日 3月21日のニューヨーク株式市場 (NYSE) のダウ工業株30種平均は4日間続伸し、前日比269.24ドル高の39,781.37ドルと終値の最高値を2日連続で更新した。 連邦準備制度理事会 (FRB) が前日発表した経済見通しなどを受けて早期利下げ開始を期待した買いが続き、取引時間中の最高値も付けた。 ハイテク株主体のナスダック総合指数も32.43ポイント高の16,401.84、幅広い銘柄で構成するSP500種株価指数も16.91ポイント高の5,241.53と、それぞれ終値の最高値を更新。 ともに4日間続伸した。 生成人工知能 (AI) への期待感も相場を押し上げた。 米国の中央銀行に当たるFRBは20日、連邦公開市場委員会 (FOMC) で、5会合連続となる主要政策金利の据え置きを決定。 同時に公表した経済見通しでは、年内に3回利下げするとの予測を維持した。 物価上昇の根強さから、市場では利下げ回数を減らすとの見方もあったが、従来通りインフレは沈静化に向かうと判断した。 短期金利の指標フェデラルファンド...