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人体組織を食い荒らす寄生虫に警戒 メキシコ国境近くで確認、感染拡大防止へ

10/15/2025カリフォルニア州保健局 (CDH) は、人体や動物の生きた組織を食う寄生性のハエ「ニュー・ワールド・スクリューワーム (New World Screwworm)」の出現に関し、住民に警戒を呼びかけている。米国内では1966年に根絶されたとしていたが、近年メキシコや中米で再び確認されており、国境から70マイル (約112キロ) 圏内まで北上しているという。 ▪️感染源とリスクこの寄生虫は、感染した人や動物の体内で幼虫 (ウジ)...

ラニーニャ現象発生 NOAA公式発表 カリフォルニアの秋冬への影響は?

10/15/2025米国海洋大気庁 (NOAA) は10月、ラニーニャ現象が太平洋沿岸で正式に発生し、来年2月ごろまで続く見通しであると発表した。過去10年の記録的旱魃 (かんばつ) から南カリフォルニアの吹雪まで、極端な気象を引き起こしてきたこの気候現象が今季も再び注目されている。 ▪️ラニーニャとはラニーニャ (La Niña) はスペイン語で「小さな女の子」を意味する。太平洋東部の海面水温が平年より低下し、海中の冷たい栄養豊富な海水が湧き上がることで、北米の気候に大きな影響を与える。一般に米国南部では乾燥と高温、北西部では多雨と洪水をもたらす「寒冷型気象現象」である。 ▪️発生状況と予測NOAAによると、今年9月の海面水温が平年を下回り、6年のうち5回目のラニーニャ発生が確認された。気象庁の長期予報センターは「今年12月から翌年2月にかけてラニーニャが持続する可能性が高く、その後、1〜3月にかけて中立状態 (ENSOニュートラル)...

カリフォルニアで猛威の「悪夢の細菌」と耐性真菌 薬剤耐性の脅威が急拡大

9/28/2025米疾病対策センター (CDC) とカリフォルニア州保健局 (CDPH) の最新報告によると、全米で抗生物質が効かない「悪夢の細菌 (nightmare bacteria)」の感染が急増しており、同時にカリフォルニア州では致死性の耐性真菌が広がっている。州内ではわずか数年前まで稀とされた症例が、2025年には数百件に達しており、感染症の専門家は強い警鐘を鳴らしている。 ▪️二重の脅威:耐性細菌と耐性真菌カリフォルニア州で拡大する真菌は「カンジダ・オーリス (C. auris)」で、一般的な抗真菌薬が効かず致死率が高い。州の集計では、2022年9月から2025年5月までに11,711件が確認された。ロサンゼルス郡で5,745件、オレンジ郡で3,575件、サンバーナディーノ郡で1,254件と、南カリフォルニアを中心に蔓延している。一方、CDCの新たな報告は細菌への懸念を強調。カルバペネム耐性腸内細菌科...

トランプ大統領、技能労働者ビザに年10万ドルの新規手数料 企業や各国に衝撃

9/21/2025トランプ大統領は9月20日、外国人技能労働者向けのH-1Bビザ申請に対し、年間10万ドル (約1,480万円) の高額な手数料を課す大統領令に署名した。発効は9月21日からで、新規申請者が対象。米商務長官ハワード・ルトニック氏は「企業はその人材に毎年10万ドル払う価値があるか判断する必要がある」と述べ、大手企業は賛同しているとした。ホワイトハウスのカロリン・クレア・レビット報道官は大統領令が署名された20日、Xへの投稿で、手数料10万ドルは新規申請者を対象とする初回限りの手数料であり、既存ビザ保持者、ビザ更新希望者には適用されないと説明しており、現在米国外にいる同ビザ保持者の再入国時に10万ドルを請求されることもないという。また、ホワイトハウスの通達によると「国益にかなう」場合は新規申請者でも手数料10万ドルが免除されるケースもあるとしているが、突然にH-1Bビザ申請の制度変更を知らされたビザ保有者や企業の多くは困惑している。 ▪️背景と論争H-1Bビザは高度人材の受け入れに用いられ、年間発給枠は85,000件。これまでの行政手数料は約1,500ドル (約22万円) に過ぎなかったが、新制度では負担が飛躍的に増す。批判派は「米国人労働者の賃金を押し下げる」と主張し、擁護派は「世界の優秀人材を呼び込む手段」と位置付ける。イーロン・マスク氏も支持派に名を連ねる。トランプ氏は同時に、100万ドル (約1億4,800万円) からの費用で特定移民のビザを迅速化する「ゴールドカード」制度創設も発表した。▪️影響と反応今回の措置はアマゾン、タタ、マイクロソフト、メタ、アップル、グーグルなど、多数のH-1B人材を抱える大手企業に大きな影響を与える。アマゾンは社内通達で、米国外にいるH-1B保有社員に「期限前に帰国せよ、できなければ再入国を控えよ」と警告した。インドは申請全体の71%を占める最大の受益国であり、業界団体ナスコムは「わずか1日の猶予では世界中の企業・専門職・学生に甚大な混乱を招く」と懸念を表明。中国は11.7%で続く。移民弁護士タヒミナ・ワトソン氏は「多くの中小企業やスタートアップが価格的に排除される。人材不足解消の道が断たれる」と強調している。移民法専門家のホルヘ・ロペス氏も「米国の競争力にブレーキをかける」と警告し、一部企業が拠点を海外移転する可能性に言及した。▪️トランプ氏の姿勢変遷H-1B議論はトランプ陣営内でも割れてきた。元主席戦略官スティーブ・バノン氏らは反対派だが、トランプ氏自身は「双方の主張を理解する」と述べていた。選挙戦ではテック業界への支持を求め「大学卒業者にグリーンカードを」と打ち出したこともある。しかし、大統領就任後は申請審査を強化し、不正防止を名目に却下率を2018年度には24%に引き上げた。オバマ政権期の5〜8%、バイデン政権下の2〜4%と比べて異例の高さであり、テック企業の強い反発を招いた経緯がある。 H-1Bビザに年間10万ドルという巨額の新手数料を課す今回の措置は、世界中の人材流動に直撃し、米企業の採用戦略を揺さぶる。支持派は「米人雇用を守る」と歓迎する一方、批判派は「競争力を失い、中小企業が壊滅的打撃を受ける」と危惧しており、移民政策をめぐる論争は一層激化しそうだ。

チャットGPT自殺訴訟、親の抗議続く 新機能ペアレンタル・コントロールも不十分との声

9/9/2025カリフォルニア州で16歳の少年が自殺した事件をめぐり、両親がChatGPT開発元のOpenAI社を相手取り提訴した問題で、同社が発表した新しいペアレンタルコントロール機能 (保護者管理システム) に対し、遺族側弁護士は「危機対応の域を出ない」と批判した。▪️訴訟の経緯自殺したのは高校生のアダム・レインさん (当時16歳)。彼の両親は9月初め、同社を「過失と不法行為による死亡」で提訴した。訴状にはアダムさんがChatGPTに自殺願望を打ち明けた記録が添付されており、AIが彼の破壊的な思考を「肯定した」と主張している。これが米国で初の「生成AIによる不法死亡訴訟」となった。▪️OpenAIの対応と新機能提訴報道を受け、OpenAIは「困難な状況にある利用者には専門的支援を勧めるよう設計しているが、意図通りに作動しなかった事例がある」と批判を認めた上で改善を約束した。さらに、今回の追加措置として、保護者が次のような管理を行える新機能を発表した。 • 保護者アカウントと未成年アカウントの連携 • メモリーやチャット履歴など機能の制限設定 •...

カリフォルニアで拡大する希少寄生虫病「シャーガス病」 吸血性カメムシが媒介

9/9/2025カリフォルニア州で希少かつ致死性の寄生虫病「シャーガス病 (Chagas disease)」の拡大が確認され、専門家らは「米国でもすでに風土病として定着している」と警鐘を鳴らしている。全米で推定30万人が感染しているとみられるが、多くは未診断のまま潜伏し、心臓発作や脳卒中で突然発覚することもある。▪️感染源となるキスバグシャーガス病は寄生虫クルーズ・トリパノソーマ (Trypanosoma cruzi) によって引き起こされ、吸血性のサシガメ類「キスバグ (kissing bugs)」が媒介する。虫は吸血後に皮膚近くで排泄し、その糞便に含まれる寄生虫が目や口、傷口などから侵入して感染する。就寝間に痒 (かゆ)...

カリフォルニアにラニーニャ冬到来? 北部は寒冷多雨、南部は高温乾燥か

9/6/2025米海洋大気局 (NOAA) は8月、2025年秋から冬にかけて弱いラニーニャが発生する可能性が50%以上あると発表した。これは「ラニーニャ監視 (La Niña Watch)」の発令にあたり、カリフォルニア州民にとって気になる冬の気象への影響が注目されている。▪️ラニーニャとは何かラニーニャは太平洋中部から東部の海面水温が平年より低下する現象で、米国全体の気象に大きな影響を及ぼす。一般的に北部は寒冷かつ多雨、南部は高温で乾燥しやすくなる。カリフォルニアでも北部は雨が多く寒い冬となる一方、南部は乾燥と高温が進み、干魃 (かんばつ) や山火事のリスクを高める傾向がある。逆にエルニーニョ現象では、太平洋の海面が高温化し、北部が暖かく乾燥、南部が多雨で大規模な嵐を伴うこともある。▪️今年の予測状況現在はラニーニャでもエルニーニョでもない「中立 (ENSOニュートラル)」の状態だが、NOAAは10月ごろからラニーニャ傾向に移行し、2025年秋から冬にかけて一時的に持続すると予測している。その後は再び中立状態に戻る見込みだ。8月14日の最新予測では、9月から11月にかけてラニーニャが発生する確率は55%程度とされている。▪️北カリフォルニアへの影響通常ラニーニャ時には北カリフォルニアは多雨となるが、今回の予測はやや複雑だ。NOAAの最新気象図では、12月から翌年2月にかけてベイエリアの降水量が平年比33〜40%減少する可能性が示されている。気温については、平年より高いか低いか現時点では判断が難しいとされる。▪️南カリフォルニアへの影響一方で、南カリフォルニアについては乾燥と高温傾向がより明確だ。8月21日に発表された「冬季予測」では、12月から2月の降水量が平年を下回る確率は40〜50%、気温が平年より高くなる確率は33〜40%とされている。すでに夏の猛暑と山火事リスクが深刻化している同地域にとって、厳しい予報といえる。今冬のカリフォルニアは、北部で雨不足の可能性があり、南部ではさらに乾燥と高温が予想される。干魃や山火事リスクの高まりが懸念される中、州民は気象当局の警戒情報に注視し、早めの備えをすることが求められている。

新型コロナワクチン接種制限 65歳未満は基礎疾患が条件、専門家から強い反発

8/31/2025米食品医薬品局 (FDA) は、今秋から冬にかけて流行が懸念される呼吸器疾患シーズンに備え、新型コロナウイルスの改良型ワクチンを承認したが、接種対象を大幅に制限したことで物議を醸している。今回承認されたワクチンはファイザー・ビオンテック製で、流行中のJN.1系統から派生した「LP.8.1」株に対応するが、接種対象は65歳以上の成人に限定された。5歳から64歳に対しては、喘息や肥満など重症化リスクのある基礎疾患がある場合に限って接種可能とされる。この決定に対し、多くの医療関係者や患者団体は「不要にリスクを高める」と強く批判。小児科学会 (AAP) は、初めてアメリカ疾病予防管理センター (CDC) の方針と異なる独自の接種指針を公表するなど、現場との乖離が際立っている。一方で、カリフォルニア州は現在、全米でも最も深刻な感染再拡大に直面している。州保健当局は夏終盤の感染急増を確認し、既存ワクチンの早期接種を呼びかけている。保健長官デブラ・ボーゲン氏は「現行ワクチンも入院や死亡のリスクを中程度に防ぐ効果がある」として、高リスク者は改良版を待たず接種すべきと強調した。CA州内の救急外来受診は昨冬の2倍を超え、特に12歳未満の子供の受診は州平均の2倍以上に急増。75歳以上でも過去1か月でほぼ倍増している。下水調査でも州全域で「高い」感染活動が確認され、感染拡大の勢いを裏付けている。全米でも感染は「増加傾向」とされ、感染再生産数 (R値) は1.07と上昇基調にある。新ワクチンは数日内に全米の薬局や病院で供給開始される予定だが、最終的な接種推奨はCDC諮問委員会の採決を待つ。この委員会は、就任後にロバート・F・ケネディ・ジュニア厚生長官がワクチン懐疑派を新たに加えた経緯もあり、今後の判断が注目される。今回の制限は、高齢者や基礎疾患患者の保護を優先した形だが、感染が急増するなかで広範な層が接種できない現実は、新たな混乱と健康被害を招く可能性がある。

AIが変える山火事対策 人員を現場に送らない自律型消火システムの実現性

8/31/2025カリフォルニアの山火事対策は、近い将来大きな転換点を迎えるかもしれない。ロサンゼルス・タイムズによると、自律型シコルスキー・ブラックホーク・ヘリコプター (双発エンジン搭載の中型多目的ヘリ) の導入により、人員を派遣せずAIが消火活動を担う未来が現実味を帯びてきた。このヘリは、衛星アンテナや各種センサーからの情報で火災を検知し、AIが即座に消火計画を立案する。炎を確認すると水を投下し、火勢が10平方フィート (約0.9㎡) を超える前に封じ込めることを目標とする。「ロッキード・マーチン( Lockheed Martin)」 と CA州内ソフトウェア企業「レイン...

南カリフォルニアに今夏最大の熱波到来 極度の火災リスクと生命に関わる酷暑予報

8/26/2025米国気象局 (NWS) は8月18日、南カリフォルニアに「今夏最も深刻」とされる熱波が到来すると警告した。猛暑は20日から始まり今月末まで続く見通しで、内陸部では100℉ (38℃) を超え、一部の山間谷や砂漠地帯では110℉ (約43℃) 近くに達する可能性がある。▪️熱中症と火災への警戒呼びかけ気象当局は「極度の熱中症リスク」と「非常に危険な火災気象条件」が重なると指摘。屋外での激しい活動は朝の涼しい時間帯に行うか、別の週に変更するよう勧告している。また、山岳地帯や丘陵地など火災危険地域の住民に対しては、避難計画や経路の確認を呼びかけた。特に、ロサンゼルス、ベンチュラ両郡の乾燥した植生 (しょくせい=自生植物の集合体) が火災拡大の引き金になる恐れが高いという。▪️主要都市の予想気温NWSの予報では、パームデザート112℉...

COVID 新変異株「XFG (ストレイタス)」 嗄声 (声のかすれ) で判別、カリフォルニア感染増の恐れ

8/8/2025米疾病対策センター (CDC) が公表したデータによると、新型コロナウイルスの変異株「XFG」(通称:Stratus =ストレイタス)」が今夏、全米で3番目に優勢な系統となり、カリフォルニア州の感染再拡大を主導している。XFG は他のオミクロン派生株と症状・重症度はほぼ同等とみられるが、これまで報告例のない「嗄声 (させい=声のかすれ)」が特徴的症状として浮上している点が注目される。 ▪️流行状況と拡大スピード    •  ...

米国年金給付、電子送金へ一本化 大統領令により9月30日から

6/30/2025社会保障庁 (The Social Security Administration=SSA) は今年、数十年続いた紙の年金小切手サービスを終了し、2025年9月30日から給付を完全電子化する。トランプ大統領が3月に署名した大統領令「Modernizing Payments To and...

トランプ大統領、イスラエルとイランが停戦に合意したと発表

6/23/2025 米国のトランプ大統領は6月23日、イスラエルとイランが「完全かつ全面的停戦」に合意したと発表した。停戦は米東部時間24日午前0時にイラン側が先行して発効し、12時間後にイスラエルが発効、24時間後には「12日間の戦争が公式に終結する」と宣言した。 ▪️段階的スケジュールと未確認情報:発表当初、両国政府から正式な確認はなく、停戦条件の詳細も不透明だった。その後、ロイターはカタールの仲介でイラン高官が停戦受け入れを認めたと報じ、合意成立が裏付けられた。 ▪️12日間の戦闘と被害:戦闘は6月13日、イスラエルがイランの核関連・軍事施設を空爆したことで始まった。人権団体によれば、イスラエルの攻撃でイラン側950人が死亡、3,450人が負傷。イランの報復により、イスラエル側でも24人が死亡した。 ▪️米国の介入と核施設への打撃:週末、米軍はイランの核計画拠点とされる3施設を攻撃。イランは翌日、カタールの米軍アルウデイド基地へ十数発のミサイルを発射したが大半が迎撃され負傷者は出なかった。イランは「強烈な報復」と主張する一方、トランプ氏は「非常に弱い」と評した。 ▪️核開発を巡る対立:イスラエルは急増する高濃縮ウランを根拠に「イランが核兵器を追求している」と非難。米情報機関は今年初め「イランは核兵器を製造していない」と分析したが、大統領は「諜報は誤り」と述べた。イランは平和利用を主張し、ウラン濃縮全面放棄という米国の要求を拒んでいる。 ▪️今後の焦点:停戦が実現すれば地域的拡大への懸念はいったん後退する。ただし、核問題と恒久的安全保障枠組みは未解決であり、停戦が長期和平へつながるかは不透明だ。国際社会は履行状況を注視し、外交努力の継続を呼びかけている。

トランプ政権の関税政策、低所得層に深刻な負担 ITEP分析で格差が浮き彫り、消費者にコスト転嫁

5/4/2025トランプ大統領による関税政策が、所得の低いアメリカ人ほど大きな経済的打撃を受けることが、税制専門のシンクタンク「租税・経済政策研究所 (Institute on Taxation and Economic Policy=ITEP)」の最新分析で明らかになった。関税は輸入品に課される税であり、そのコストは企業によって最終的に消費者に転嫁されることが多い。ITEPの試算によれば、現行の関税政策が2026年まで継続した場合、年収29,000ドル未満の世帯 (下位20%) は平均で所得の6.2%に相当する追加的な税負担を被るとされる。一方、年収91万5,000ドル超の層...

トランプ政権の関税政策に12州提訴 「違法かつ経済に混乱」 憲法秩序の転覆疑念、施行差し止め求める

5/3/2025 トランプ大統領による関税政策を違法として、全米12州が4月23日、ニューヨークの米国国際貿易裁判所 (US Court of International Trade=ITC) に提訴した。訴状によれば、この政策は「法的権限の健全な行使ではなく、大統領の恣意 (しい) 的な決断に基づいている」と主張されている。今回の訴訟では、トランプ氏が「国際緊急経済権限法...

百日咳、全米で1,500%急増 ワクチン忌避による公衆衛生への警鐘  カリフォルニア含む25州、麻疹 (はしか) の集団感染も脅威に

5/3/2025米国で百日咳 (pertussis) が急増している。米調査報道サイト「プロパブリカ (ProPublica)」によると、百日咳の全米感染件数はパンデミック中の最低水準から1,500%以上も増加した。百日咳は乳幼児にとって命に関わる可能性があり、肺炎、呼吸停止、脱水症状、脳障害などを引き起こす危険性がある。毎年2~4人が亡くなっていたが、昨年は10人が死亡、今年もすでに2人が死亡し、さらに1人が関連死の可能性があると報告されている。2024年に報告された百日咳感染者数は全米で35,435人に達し、うちカリフォルニア州では1,775人が感染した。人口10万人あたり4.55人の発症率となっており、同州全体としてのワクチン接種率は他州より比較的高い水準を維持している。しかし、プロパブリカはカリフォルニア州全体の平均接種率が高くても、郡や地域単位では接種率が大きく低下している地域があり、それが感染拡大の温床になっていると指摘している。 一方、麻疹 (ましん/はしか=measles) も再び脅威となっている。今年これまでに麻疹で800人以上が発症し、10件の集団感染 (3人以上の関連症例) が発生した。感染はカリフォルニアを含む25の州と地域に広がっている。これらの感染者の94%は集団感染によるものとされる。ニューヨーク市の小児感染症専門医アダム・ラトナー氏は「これは単なる麻疹の問題ではない。公衆衛生に対する重大な警告」とプロパブリカに語った。また、ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生大学院の教授でワクチン研究の専門家アンナ・ダービン氏も「このままでは、麻疹だけでなく、他のワクチンで予防可能な病気による大規模な流行が発生し、子供や若年層に甚大な被害と死をもたらす恐れがある」と警鐘を鳴らす一方で「それを完全に防ぐことも可能」とも述べている。プロパブリカの報告によると、ルイジアナ州では過去半年間に2人の乳児が百日咳で死亡し、ワシントン州では10年以上ぶりに死亡例が確認された。アイダホ州とサウスダコタ州でも死亡例があり、オレゴン州では1950年以来最多の感染者数と2人の死亡例が報告されている。ワクチン接種率の低下は、こうした感染症の拡大に直結している。今後さらに感染が広がる恐れがある中で、専門家たちは予防接種の重要性を改めて強調している。  

BYU大学院生のビザ、不当な取り消しから復活 重犯罪歴なし、AIソフトウェアの誤作動か

4/26/2025ユタ州のブリガム・ヤング大学 (BYU) に在籍する日本人大学院生、恩田卓 (おんだ・すぐる) 氏の学生ビザ (Form I-20) が突然取り消された後に復活したことが分かった。恩田氏の代理人を務める弁護士アダム・クレイク氏が米メディアに明らかにした。恩田氏は同大学院の博士課程に在籍し、5人の子どもを持つ父親。数週間前、米政府当局から「犯罪記録チェックで該当、またはビザが取り消された」との通知を受けた。しかし、クレイク弁護士によれば、恩田氏には数件のスピード違反と釣りに関する軽微な違反以外に犯罪歴はなく、AIソフトウェアの誤作動による取り消しだった可能性が高いと話している。復活に至った詳細な理由は、依然として説明されていない。恩田氏はユタ州ソルトレーク市の地元テレビ局KSLのインタビューに対し「ここにいられるだけで感謝している」と語った。国務省 (DOS)...

日本人大学院生、突然のI-20ビザ取り消し、家族も退去命令 重大犯罪歴なし、連邦政府のAI導入で不条理な処分?

4/18/2025ユタ州プロボ市のブリガム・ヤング大学 (BYU) に在籍する日本人大学院生、恩田卓 (おんだ・すぐる) 氏が、事前の通知もなく米政府から学生ビザ (Form I-20) を取り消され、4月末までに日本へ帰国するよう命じられた。BYUは末日聖徒イエス・キリスト教会 (モルモン教)...

トランプ大統領、報復関税を発表 世界貿易秩序に大きな衝撃 米世論と経済界は消費者への価格反動を懸念

4/5/2025トランプ大統領は、ほぼ全ての貿易相手国に対して新たな関税を課すと発表した。中国からの輸入品に54%、EUに20%、インドに26%、日本に24%といった高率関税が課されることになり、米国の消費者に大きな影響を与えると同時に、世界貿易の枠組みそのものを揺るがす可能性がある。発表はホワイトハウスのローズガーデンで行われ、トランプ氏は「経済的非常事態」を理由に、貿易黒字を持つ国々に対して報復関税を実施すると表明した。すべての国からの輸入品に対し、一律10%の基礎関税を課すとも述べた。この関税措置は、現代の国際貿易体制における歴史的な課税強化となり、長年築かれてきた経済的協調体制や同盟関係を壊しかねないものとなる。住宅、自動車、衣料といった中間層にとって不可欠な生活必需品が値上がりすることが予想され、米国民にとっては困難な移行期の始まりとなる見込みだ。今回の措置は、トランプ氏が長年予告していた「相互関税 (reciprocal tariffs)」の実行であり、米国への輸出に対する各国の関税や非関税障壁 (為替操作、環境規制の緩さなど) に対抗するものだった。新たな関税リストには数千億ドル、場合によっては数兆ドル規模の貿易に関わる課税が含まれており、影響は極めて広範囲に及ぶと見られている。この発表を受け、米国の株式市場は当初の上昇が一転して下落に向かった。S&P500先物は時間外取引で1.5%下落し、市場には不安が広がった。経済界では「このような大規模な関税措置は、米国の消費者物価の上昇を引き起こし、特に中間層への負担が大きくなる」と懸念する声が強まっている。トランプ氏の貿易政策は、国内産業保護を掲げつつも、国際経済の連携構造を再編しようとする強硬姿勢が特徴であり、今後の世界経済に与える影響は計り知れないものがある。

カリフォルニア州住宅所有者に新たな一時料金 背景に山火事と保険制度の逼迫

3/31/2025カリフォルニア州では、州の保険制度「フェア・プラン (Fair Plan)」の財源不足を補うため、同州内約800万の住宅所有者に対し、1人あたり約60ドル (約9,000円) の一時的な追加料金が課される可能性が出てきた。この措置は、南カリフォルニアで発生したイートン火災 (Eaton fire) およびパリセーズ火災 (Palisades...

地質調査所 (USGS)、南カリフォルニアに誤情報を発信 ソルトンシーでマグニチュード4.6の地震発生せず

3/19/2025米国地質調査所 (USGS) は3月14日、カリフォルニア州南部のソルトン・シー (Salton Sea) でマグニチュード4.6の地震が発生したという誤りの警報を発信した。実際に地震は確認されていなかった。USGSの報告には震源地や影響範囲の詳細が含まれていたが、複数のメディアが報道した後、USGSはこの情報を削除した。現地で取材した記者によると、ボンベイ・ベイ地区の店舗では揺れを感じた者はおらず、地震があれば大きな影響があったはずだという。USGSの広報担当者ポール・ラウステン氏は「システムのテスト中に誤って警報が発信された」と説明し、「その時間、その深さで地震は発生しておらず、調査を進めている」と述べた。同氏によれば、通常、地震情報は自動で処理された後、人間が確認するが、今回のように情報が削除されるのは極めて稀 (まれ) な事態という。USGSは2月にトランプ政権の大規模な人員削減の影響を受け、西海岸の広報担当者の多くが解雇され、問い合わせ先の多くが使用不能となった。さらに、米下院自然資源委員会の民主党議員らが34箇所のUSGS測量事務所が閉鎖予定であると公表した。同委員会のジャレッド・ハフマン議員は「USGSの多くの施設は地震や火山活動の監視に不可欠であり、現場に拠点を置く必要がある」と批判している。USGSの報告によると、ソルトン・シーのボンベイ・ビーチ近郊が震源とされ、深さは約8キロメートル、震央はボンベイ・ビーチの南南東14キロメートル地点とされた。しかし、これらの情報はすべて誤りだった。

トランプ大統領、2期目初の施政方針演説 アメリカン・ドリーム、経済救済、外交政策

3/6/2025トランプ大統領は連邦議会上下両院の合同会議で施政方針演説を行った。これは1月の再就任以来初の議会演説であり「アメリカン・ドリームは止められない」と宣言。演説は歴代最長の1時間40分に及び、共和党の成果を強調しながら民主党議員との応酬も見られた。トランプ氏は、この6週間で政府機関の人員削減、移民取り締まり、主要貿易相手国への関税導入などを実施したと強調。特に、経済政策については「中小企業の楽観主義が高まっている」としながら、バイデン前政権の経済政策を批判。「卵の価格が制御不能になった」と述べ、価格引き下げに取り組むと約束した。また、政府効率化省 (DOGE) の設立を発表し、無駄な支出削減を進めると表明。同省を率いるイーロン・マスク氏に感謝の意を示し、政府の浪費例を挙げて共和党議員の笑いを誘った。移民対策や関税政策も擁護し「関税はアメリカを再び偉大にする」と主張。カナダ、メキシコ、中国からの輸入品への課税が混乱を招く可能性を認めつつも「我々は耐えられる」と述べた。外交面では、グリーンランド併合やパナマ運河支配の意向を示唆。ウクライナ和平交渉については、ゼレンスキー大統領から受け取った手紙を読み上げ「彼は私のリーダーシップの下で平和の実現に取り組む準備ができている」と述べた。これにより、両国間の緊張緩和の可能性が示唆された。最後に、トランプ氏は予算均衡を約束し、減税の実現に期待を寄せた。共和党の税制改革にはチップや残業への課税撤廃などが含まれており、財政赤字への影響が懸念されるものの、トランプ氏は経済成長による補填を強調した。演説は共和党支持層に向けた力強い内容となり、特に経済政策と外交戦略の方向性を示すものとなった。

トランプ大統領とゼレンスキー大統領、ウクライナ戦争をめぐり激しい応酬

3/3/2025ホワイトハウスで行われたトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の会談は、激しい言い争いに発展。トランプ氏はゼレンスキー氏に対し「ロシアと合意しなければ、我々は撤退する」と迫り、関係は急速に悪化した。本来、この会談は米国とウクライナの鉱物資源に関する協定締結の前哨戦とされていた。しかし、両首脳が互いに発言を遮る場面が続き、緊迫した雰囲気に包まれた。結局、ゼレンスキー氏は合意に至る前にホワイトハウスを後にすることとなった。トランプ氏は、米国の軍事・政治支援に対するゼレンスキー氏の感謝が足りないと指摘し、「第三次世界大戦を引き起こすつもりなのか」と非難。一方のゼレンスキー氏は、ロシアのプーチン大統領との和平交渉に「妥協はあり得ない」と強調したが、トランプ氏は「和平には譲歩が必要だ」と反論した。2022年2月にロシアがウクライナへの全面侵攻を開始して以来、現在もウクライナの約20%がロシアの支配下にある。今回の会談は、ウクライナの石油・天然ガス・希少鉱物への米国のアクセスを含む協議の一環だった。しかし、トランプ氏はゼレンスキー氏に対し、戦争を早期に終結させなかった責任を問うような姿勢を見せ、緊張を高めた。会談にはヴァンス米副大統領も同席しており「戦争は外交を通じて終結させるべき」と発言。ゼレンスキー氏は「どのような外交を指すのか」と問い、2019年の停戦合意に言及した。しかし、ヴァンス氏はゼレンスキー氏が「無礼だ」と非難し、メディアの前で議論を持ち出すことに不満を示した。トランプ氏とヴァンス氏は、ウクライナへの3年間の支援に対してゼレンスキー氏が感謝を示していないと主張し、ゼレンスキー氏が米国の方針に口を出す立場にはないと強調。会談は予定よりも早く終了し、ゼレンスキー氏は公用車でホワイトハウスを去った。その後、トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「ゼレンスキーは米国を軽視した」と投稿。「彼は米国の関与が交渉において有利に働くと考えているが、私は有利を求めているのではなく、平和を求めている」と述べた。一方、ゼレンスキー氏はSNSで4回にわたり米国とトランプ大統領に感謝の意を示した。また、FOXニュースのインタビューでは「公の場での言い争いは良くなかったが、トランプ氏との関係は修復可能だ」と発言。「なぜなら、これは単なる二人の大統領の関係ではなく、両国の国民の強い結びつきでもある」と述べた。米国内では、この会談に対する反応が党派ごとに分かれた。共和党のリンジー・グラム上院議員は「オーバルオフィスでの出来事は無礼だった。ゼレンスキーとは今後取引できるかわからない」と発言し、ゼレンスキー氏の辞任を求める声まで上がった。一方、民主党のハキーム・ジェフリーズ下院院内総務は「ゼレンスキー氏に対する扱いはひどいもので、プーチンをさらに勢いづかせるだけだ」と批判した。ウクライナ国内ではゼレンスキー氏が戦争継続を主張したことに一定の支持が集まっている。「トランプ政権の態度は高圧的すぎる。ゼレンスキー氏の表情を見ると、非公開の会談がさらに激しいものだったことがわかる」と、キーウの市民はBBCに語った。欧州諸国からはゼレンスキー氏への支持が相次ぎ、フランスや英国の首脳もウクライナへの変わらぬ支援を表明。ドイツの次期首相候補フリードリヒ・メルツ氏は「我々は常にウクライナと共にある」と強調した。一方、ロシアはトランプ氏とヴァンス氏の対応を「抑制的だった」と評価し、ロシア外務省の報道官は「彼らがゼレンスキーを殴らなかったこと自体が奇跡だ」とコメントした。*Picture:© Joshua Sukoff / shutterstock.com

下院予算案がメディケイド削減の可能性 カリフォルニア州議員の投票結果

3/2/2025米下院で共和党が提案した予算案が僅差 (217対215) で可決された。この予算案はトランプ大統領が掲げる「壮大な税制改革」を実現するためのもので、4.5兆ドルの減税と2兆ドルの歳出削減を目指している。その中でも特に注目されているのが、メディケイド (低所得者向け医療保険) への最大8,800億ドルに及ぶ可能性のある削減措置だ。カリフォルニア州の連邦議員団は党派に沿って投票し、民主党議員は全員反対、州内の共和党議員9名は全員賛成した。民主党のハキーム・ジェフリーズ下院少数党院内総務は「これは米国史上最大のメディケイド削減に向けた動きだ」と警鐘を鳴らした。メディケイドは米国の5人に1人が利用する包括的な医療・長期ケアプログラムで、医療費全体の約20%を占める。カイザー・ファミリー財団 (KFF) の調査によると、米国民の77%、メディケイド受給者の84%が同制度を支持している。それにもかかわらず、共和党は大幅な歳出削減の必要性を訴え、特にメディケイドや食品支援 (フードスタンプ)、学生ローンへの支出削減を検討している。共和党の指導部は、60ページに及ぶ予算案の中にメディケイド削減が明記されていないと説明している。しかし、エネルギー・商業委員会に対し、今後10年間で8,800億ドルの削減を指示しているため、メディケイドが大幅に影響を受ける可能性が高いと見られている。共和党内でもこの削減に懸念を示す議員は少なくない。ニューヨーク州のマイク・ローラー下院議員は「トランプ大統領はメディケイドを削減しないと明言した」と述べ、今後の予算策定過程で制度を守るよう求める姿勢を示した。また、ヒスパニック会議所属の共和党議員たちも、メディケイド、フードスタンプ、大学向け助成金 (ペル・グラント)...